セロトニンを増やしたいなら、トリプトファンを含む食品を、炭水化物やビタミンB6と組み合わせて毎日の食事に取り入れることが基本です。
なかでも魚、大豆製品、乳製品、卵、穀類は続けやすく、「一つの食品を大量に食べる」より、主食・主菜・副菜を整えるほうが現実的でしょう。
セロトニンを増やす食べ物ランキングは?取り入れやすさで比較
「セロトニンを増やす食べ物ランキング」と聞くと、トリプトファン含有量が最も多い食品を1位から並べればよいように思えますよね。
ただ、実際の食生活では含有量が多いことと、毎日無理なく食べられることは別問題です。
そこで今回は、示されている食品100gあたりのトリプトファン量を踏まえながら、「普段の食卓への取り入れやすさ」「炭水化物やビタミンB6と組み合わせやすいか」という視点も加えて比較します。
これは病気の治療効果を順位づけしたものではなく、日常の食生活で選びやすくするためのランキングです。
| 順位 | 食べ物 | トリプトファン量の目安 | 取り入れやすさ |
| 1位 | 鮭 | 250mg/100g | 主菜にしやすくビタミンB6も摂りやすい |
| 2位 | 木綿豆腐 | 98mg/100g | 植物性タンパク質で料理の幅が広い |
| 3位 | カツオ | 310mg/100g | 含有量が多く、主菜にできる |
| 4位 | マグロ赤身 | 270mg/100g | 高たんぱくで食事に組み込みやすい |
| 5位 | 鶏むね肉 | 270mg/100g | 日常的な主菜として使いやすい |
| 6位 | そば(乾麺) | 170mg/100g | 主食として摂りやすい |
| 7位 | パスタ(乾麺) | 140mg/100g | 主菜や野菜と合わせやすい |
| 8位 | 玄米 | 94mg/100g | 毎日の主食に取り入れられる |
| 9位 | 白米 | 82mg/100g | 食べる頻度が高く、組み合わせの土台になる |
| 10位 | 豆乳 | 53mg/100g | 調理不要で朝食や間食に使いやすい |
数値だけを見ると、カツオ310mg、豚ロース280mg、マグロ赤身と鶏むね肉270mg、鮭250mgと、肉や魚が上位です。
一方で、セロトニンの材料を考えると「数字が最大の食品だけを食べればよい」と単純には言えません。
特に注目したいのが鮭です。
鮭はトリプトファンを100gあたり250mg含むうえ、トリプトファンからセロトニンが作られる過程を支えるビタミンB6を含む魚でもあります。
ごはんと組み合わせれば炭水化物も一緒に摂れるため、「焼き鮭+ごはん+野菜のおかず」という昔ながらの食事が、実は非常に合理的な組み合わせになります。
私は、こうした「栄養素の数字だけではなく、食事として完成させやすいか」という視点がとても大切だと考えています。
心が疲れているときほど、凝った健康メニューを毎日作ることは負担になりやすいものです。
特別な食品を探さなくても、豆腐や鮭、ごはんといった身近な食品で整えられるなら、そのほうが長く続けやすいですよね。
1位:鮭|トリプトファンとビタミンB6を一緒に摂りやすい
ランキング1位は鮭です。
鮭には100gあたり約250mgのトリプトファンが含まれています。
さらに魚類にはビタミンB6を含むものがあり、鮭はトリプトファンとビタミンB6を一緒に意識したいときに使いやすい食材です。
焼き鮭ならごはんと自然に組み合わせられますし、野菜を添えれば一食としてのバランスも整いやすくなります。
ムニエル、マリネ、具だくさんの汁物など、調理方法を変えやすいことも続けやすさにつながります。
「心のために特別な食品を食べなければ」と頑張るより、いつもの夕食に鮭を選ぶ。
そのくらいの距離感のほうが、食事による心身のケアにはなじみやすいと私は感じます。
2位:木綿豆腐|植物性たんぱく質から取り入れやすい
木綿豆腐には、100gあたり約98mgのトリプトファンが含まれます。
魚や肉と比べると数値は低く見えますが、大豆製品には豆腐だけでなく、納豆、味噌、しょうゆ、豆乳など選択肢が豊富です。
特に大豆製品は、毎日の和食に自然と入れられるのが大きな魅力でしょう。
朝は納豆、昼は豆乳、夜は豆腐の味噌汁といったように、一つの食品に頼らず分散して摂ることもできます。
また、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸は、トリプトファンが脳へ取り込まれる際に競合すると考えられています。
そのため、植物性たんぱく質である大豆製品は、セロトニンの材料を意識するときの選択肢として注目されています。
とはいえ、これは「肉や魚を避けるべき」という意味ではありません。
動物性食品も、炭水化物やビタミンB6を含む食材と合わせて、食事全体のバランスを整えることが大切です。
3位:カツオ|100gあたり310mgと含有量が多い
今回示されている食品の中で、トリプトファン量が特に多いのがカツオです。
100gあたり310mg含まれ、数値だけで比較すればランキング上位になります。
刺身やたたきとして主菜にできますし、かつお節なら豆腐やごはん、野菜に少量加えることもできます。
「一度に大量に摂らなければ」と考える必要はありません。
毎日の食卓のあちこちに、トリプトファンを含む食品を散りばめていくほうが取り入れやすいでしょう。
4位:マグロ赤身|270mgで主菜として使いやすい
マグロ赤身には100gあたり約270mgのトリプトファンが含まれます。
カツオと同じく赤身魚は、トリプトファンを摂りたいときの選択肢になります。
ただし、大切なのは「セロトニンのために毎日マグロを食べる」と固定しないことです。
魚、大豆、卵、乳製品、穀類などを入れ替えながら食べるほうが、栄養の偏りを避けやすくなります。
5位:鶏むね肉|270mgで普段のおかずにしやすい
鶏むね肉も、100gあたり約270mgのトリプトファンを含む食品です。
さらに、鶏むね肉やささみなど脂身の少ない肉類にはビタミンB6も含まれています。
鶏むね肉だけを単独で食べるのではなく、ごはんやいも類、野菜などと組み合わせると、一食として栄養を整えやすくなります。
ダイエット目的などで「主食を抜いて鶏むね肉だけ」という食べ方を続けている方は、セロトニンの材料という観点からも、炭水化物まで含めた食事全体を一度見直してみる価値がありそうです。

なぜ食べ物でセロトニンを直接摂ればいいわけではない?
セロトニンを増やしたいときに重要なのは、食べ物に含まれるセロトニンそのものではなく、脳内でセロトニンを作るための材料を摂ることです。
セロトニンは感情や精神面、睡眠などに関係する神経伝達物質の一つで、ドーパミンやノルアドレナリンと並んで重要な働きを担っています。
「しあわせホルモン」という呼び名でも知られていますが、本当の役割は単純に幸せな気分を作ることだけではありません。
神経伝達物質同士の働きを調整し、心身の状態を保つ仕組みに関わっています。
そして、脳内でセロトニンを作るために必要となる材料が必須アミノ酸のトリプトファンです。
トリプトファンは人の体内だけでは作れないため、食事から摂取する必要があります。
食事から摂ったトリプトファンは体内で利用され、セロトニン合成の材料になります。
さらにセロトニンは、夜間には睡眠と深く関係するメラトニンの生成にもつながっていきます。
つまり、
- トリプトファンを含む食品を食べる
- 体内でセロトニン合成の材料として利用する
- 夜間のメラトニン生成にもつながる
という流れで考えると分かりやすいでしょう。
ここで注意したいのは、「トリプトファンを食べれば、その分だけ脳内セロトニンが増える」と単純に比例するわけではないことです。
人体はもう少し複雑です。
食事、ほかのアミノ酸とのバランス、生活リズムなど、さまざまな要因が関係しています。
だからこそ、私は「セロトニンを増やす最強食品」を一つ決める考え方よりも、セロトニンを作りやすい食事の組み合わせを覚えることのほうが実用的だと考えています。
セロトニンを増やす食べ物はどう組み合わせる?
セロトニンの材料を意識するなら、トリプトファンだけではなく、炭水化物とビタミンB6まで含めて一食を考えることがポイントです。
実際、主食・主菜・副菜をそろえるというごく基本的な食事が、この条件を自然に満たしやすくなっています。
ビタミンB6を含む食品としては、鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏むね肉、ささみ、酒粕、ごまなどがあります。
炭水化物は、ごはん、パン、麺類、いも類、果物などから摂れます。
たとえば、次のような組み合わせです。
鮭+ごはん+野菜。
鮭からトリプトファンやビタミンB6を摂り、ごはんから炭水化物を摂れます。
豆腐+ごはん+ごま。
豆腐から植物性たんぱく質とトリプトファン、ごはんから炭水化物、ごまからビタミンB6などを補いやすくなります。
そば+卵+野菜。
そばには乾麺100gあたり約170mgのトリプトファンが含まれ、卵もトリプトファンを含む食品です。
こうして見ると、高価な健康食品を用意しなくても、普段のスーパーでそろう食品だけで十分組み立てられます。
私がサロンで食生活についてお話を伺ってきたなかでも、「健康によい食品を増やす」ことに意識が向きすぎて、かえって食事そのものが負担になっている方は少なくありませんでした。
食べ物による心身のケアは、薬のように「この一品を飲めば完了」というものではありません。
いつもの食事に少し足す、置き換える、組み合わせる。
そのくらいの穏やかな変化のほうが、疲れているときには続けやすいのではないでしょうか。
バナナはセロトニンを増やす食べ物として何が優秀?
バナナはトリプトファン含有量だけを見ると、上位に入る食品ではありません。
100gあたりのトリプトファンは約15mgで、鮭250mgや木綿豆腐98mgなどと比べるとかなり少なめです。
それでも、セロトニンを意識する食事でバナナがよく挙げられる理由があります。
トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を一つの食品から摂れるからです。
つまり、バナナの強みは「含有量ランキング」ではなく「組み合わせランキング」にあります。
ここは、セロトニンを増やす食べ物を選ぶときに意外と見落とされやすいポイントでしょう。
数字だけで選べばカツオや肉類に目が向きます。
けれど、仕事に向かう朝にカツオ100gを食べるのは難しくても、バナナなら皮をむくだけで食べられます。
朝食を抜きがちな方であれば、バナナと牛乳、あるいはバナナと豆乳といった組み合わせなら比較的準備しやすいでしょう。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品にもトリプトファンが含まれています。
バナナ単体の含有量だけを見て「少ないから意味がない」と考えるのではなく、食品は栄養素のチームで見ることが大切なのです。
一方で、バナナを食べれば不安や不眠が改善すると断定することはできません。
食事はあくまで心身を支える土台の一つです。
強い気分の落ち込みや不眠、日常生活に支障が出るほどの不安などが続いている場合には、食事だけで何とかしようとせず、医療機関など専門家へ相談してくださいね。
トリプトファンは1日にどのくらい必要?
成人が必要とするトリプトファン量については、資料によって示されている数値に違いがあります。
今回の情報には、体重1kgあたり約2mgという目安と、18歳以上では体重1kgあたり4.0mgという目安の両方が示されています。
後者で計算すると、体重60kgの成人では、
60kg × 4mg=240mg
が1日あたりの目安になります。
一方、2mg/kgで計算すれば120mgです。
数字が二つあると「どちらを信じればいいの?」と戸惑いますよね。
こうした栄養情報は、参照した基準の年代や「必要量」「目安量」など指標の定義によって表現が変わることがあります。
そのため、この記事では成人の食生活を考える際には、今回示されている比較的新しい基準である4mg/kgという数値を一つの参考として扱います。
ただし、ここでも240mgを毎日電卓で計算する必要はありません。
たとえば鮭は100gあたり約250mg、カツオは310mg、マグロ赤身や鶏むね肉は270mgを含んでいます。
さらに、普段はごはんや豆腐、乳製品、卵などさまざまな食品から少しずつトリプトファンを摂っています。
つまり、一般的な食生活では「トリプトファンだけを狙って大量に摂取する」より、三食の中でたんぱく質源を極端に減らさないことが大切だと考えられます。
特にサプリメントを利用する場合は、食事とは事情が変わります。
栄養素を濃縮して摂取できるため、用法や摂取量を確認し、過剰摂取を避ける必要があります。
すでに疾患があり食事療法を受けている方は、自己判断で食事内容やサプリメントを大きく変えず、主治医の指示を優先してください。

食べ物だけでなく朝の日光や生活リズムも大切?
セロトニンを意識するなら、食べ物だけに目を向けるより、朝の日光や適度なリズム運動、睡眠を含めて生活全体を整えることが大切です。
食品ランキングを調べている方にこそ、ここは知っておいてほしいポイントです。
セロトニンに関わる生活習慣として、朝の日光とリズム運動が挙げられます。
起床後の時間帯に日光を浴びることは、セロトニン神経の活動に関係します。
目安としては、起床後30分以内に15〜30分程度の日光を浴びる方法が紹介されています。
また、ウォーキングやジョギングのように一定のリズムで体を動かす習慣も、生活リズムを整える方法の一つです。
無理に激しい運動をする必要はありません。
むしろ疲労が強いときに頑張りすぎれば、それ自体が負担になります。
朝に少し外を歩く。
朝食に豆乳やバナナを加える。
昼食ではそばを選ぶ。
夕食には鮭や豆腐を使う。
こうした小さな行動を組み合わせると、「セロトニンのために何か特別なことをしなければ」というプレッシャーが少なくなります。
そして、ここに今回のランキングを見るうえでの大切な視点があります。
食べ物ランキングの本当の1位は、人によって変わるのです。
朝食をほとんど食べない人なら、カツオよりバナナや豆乳のほうが現実的かもしれません。
魚料理を週に何度も食べる家庭なら、鮭やカツオが自然です。
大豆製品が好きなら、豆腐、納豆、豆乳、味噌を組み合わせる方法があります。
栄養は、「100gあたり何mgあるか」という数字だけでは生活に根づきません。
自分の暮らしの中で何回登場させられるかまで含めて考えることで、初めて役立つ情報になると私は考えています。
セロトニンを増やす食べ物ランキングから考えるおすすめの選び方
今回の比較で特に覚えておきたいのは、「トリプトファン含有量が最大の食品を選ぶこと」がゴールではないということです。
カツオは100gあたり310mgと非常に多く、豚ロースは280mg、マグロ赤身と鶏むね肉は270mg、鮭は250mgです。
一方、木綿豆腐は98mg、玄米94mg、白米82mg、豆乳53mgです。
数字だけを見れば、肉や魚が圧倒的に見えます。
ところが、毎日同じ食品を100gずつ食べ続けるわけではありませんよね。
朝に豆乳、昼にそば、夕食に豆腐と魚。
このように複数の食品から積み重ねるのが普通の食生活です。
さらに、炭水化物やビタミンB6との組み合わせも考えれば、評価は「含有量」だけでは決まりません。
個人的には、セロトニンを意識した食生活は次の三つの考え方で選ぶと無理が少ないと考えています。
- 主菜では鮭、カツオ、マグロ、鶏むね肉、豆腐などをローテーションする
- 主食としてごはん、玄米、そば、パスタなどを極端に抜かない
- 朝食や間食にバナナ、牛乳、ヨーグルト、豆乳など手間のかからない食品を活用する
「今日は疲れているから、完璧な献立は作れない」という日もありますよね。
そんな日は、ごはんと納豆、豆腐の味噌汁でも構いません。
朝ならバナナと牛乳だけでも、「何も食べない」状態から一歩進めます。
健康情報は、ときに私たちへ「もっと頑張らなければ」という新しい宿題を作ってしまいます。
けれど、心を整えるための食事が、新たなストレスになってしまっては本末転倒です。
一つのスーパーフードを探すのではなく、普段の食卓を少しずつ整える。
私は、その方法のほうが心と体に寄り添ったケアだと感じています。
まとめ|セロトニンを増やす食べ物は「量+組み合わせ」で選ぼう
セロトニンを増やす食べ物を考えるときは、脳内でセロトニンの材料となるトリプトファンを含む食品を意識することが基本です。
今回示されている100gあたりのトリプトファン量では、カツオ310mg、豚ロース280mg、マグロ赤身と鶏むね肉270mg、鮭250mg、そば170mg、パスタ140mg、木綿豆腐98mg、玄米94mg、白米82mg、豆乳53mgとなっています。
ただし、含有量だけで「最もよい食品」を決めることはできません。
鮭のようにトリプトファンとビタミンB6を一緒に摂りやすい食品もあれば、バナナのように含有量は15mg/100g程度でも、トリプトファン・ビタミンB6・炭水化物をまとめて摂れる食品もあります。
だからこそ、鮭+ごはん、豆腐+ごはん、バナナ+牛乳・豆乳など、組み合わせまで考えることがポイントです。
「セロトニンによいものを食べなくちゃ」と食生活を厳しく管理する必要はありません。
いつもの食卓に魚を一品加える、朝食に豆乳を飲む、納豆や豆腐を選ぶ。
そんな小さな積み重ねのほうが、忙しい毎日に静かになじんでくれるでしょう。
食べ物は心を瞬時に変える魔法ではありませんが、毎日の心と体を支える土台にはなります。
ランキングの数字に追われるより、自分が無理なく続けられる一品を見つけることから始めてみてくださいね。
よくある質問
セロトニンを増やす食べ物で一番おすすめなのは?
一つだけ決めることはできませんが、取り入れやすさまで考えると、鮭、大豆製品、卵、乳製品、穀類などがおすすめです。
特に鮭はトリプトファンを100gあたり約250mg含み、ビタミンB6も意識しやすいため、ごはんや野菜と組み合わせると食事全体を整えやすくなります。
バナナを食べればセロトニンは増えますか?
バナナにはトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物が含まれますが、食べれば必ず脳内セロトニンが増えると断定できるものではありません。
100gあたりのトリプトファン量は約15mgと多くありませんが、調理せず食べられるため、牛乳や豆乳などと組み合わせて朝食に取り入れやすい食品です。
トリプトファンはサプリメントで摂ったほうが効率的ですか?
食品より多量に摂れるからといって、サプリメントのほうが必ず優れているとは限りません。
基本はバランスのよい食事を意識し、サプリメントを利用する場合は用法や摂取量を確認してください。疾患があり食事療法や治療を受けている方は、主治医の指示を優先しましょう。
結城紬(心と体のケアアドバイザー)


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