顔をリラックスするには、食いしばりをほどき、眉間・額・頬・口元の力を抜き、呼吸しながらやさしく顔を動かすことが基本です。
「気づくと眉間に力が入っている」「奥歯を噛みしめている」「笑おうとしても顔が固い」。そんなときは、顔そのものだけでなく、スマホを見る姿勢や首・肩の緊張、無意識の表情のクセまで一緒に見直すと、ゆるめやすくなります。
顔をリラックスする方法とは?まず「力んでいる場所」に気づこう
顔をリラックスさせようとして、一生懸命に顔を動かす必要はありません。
むしろ最初にしたいのは、どこに余計な力が入っているのかを見つけることです。
筋肉は使いすぎても、逆に使わなさすぎても硬く収縮し、伸び縮みしにくくなると言われています。
顔には、おでこの前頭筋、眉間周辺の皺眉筋、頬を動かす大頬骨筋・小頬骨筋、口元に関わる上唇挙筋、噛むときに働く咬筋など、表情をつくるさまざまな筋肉があります。
こうした筋肉の一部ばかりを使ったり、長い時間ほとんど動かさなかったりすると、表情を動かしたときに「なんとなく硬い」「突っ張る」「動かしにくい」と感じることがあります。
まずは鏡の前で、次のような状態がないか確かめてみてください。
- 眉間に縦ジワが寄るほど力が入っている
- 無意識に目を大きく見開いている
- 唇をぎゅっと閉じている
- 上下の奥歯がいつも触れている
- 頬や口角が動かしにくい
- スマホを見ている間、額や目元が固まっている
- 首や肩まで一緒に力んでいる
大切なのは、「こんなに力んでいたんだ」と責めないことです。
顔の緊張は、自分では意外と気づきにくいものです。仕事に集中していたり、不安や緊張を感じていたりすると、知らない間に食いしばったり、眉間に力を入れたりすることもあります。
顔をゆるめる第一歩は、何かを頑張って追加することではなく、すでに入っている力に気づいて減らすことなのですね。
顔の力を抜くなら、最初に奥歯・舌・あごをゆるめる
顔全体の緊張が気になる人に、私がまず確認してほしいと思うのが「あご」です。
特に、上下の奥歯がずっと接触していないでしょうか。
咬筋は食べ物を噛んだり、奥歯を噛みしめたりするときに使われる筋肉です。
両手で頬を横から触りながら奥歯を噛みしめると、頬の後ろ側が盛り上がるのを感じることがあります。これが咬筋です。
日中も無意識に歯を噛み合わせ続けていると、咬筋を休ませる時間が少なくなります。
そこで、顔をリラックスさせたいときは、次の順番を試してみてください。
1.上下の奥歯を離す
口は閉じていても構いません。歯と歯の間にほんの少し空間をつくるような感覚です。
2.唇の力を抜く
口角を上げよう、きれいな表情をつくろうとしなくて大丈夫です。まずは唇をぎゅっと結ぶ力をほどきます。
3.舌を休ませる
舌にも余計な力が入っていないか感じてみましょう。
口を閉じているときも上下の歯を噛みしめ続けるのではなく、歯は軽く離れた状態が望ましいです。
舌については、舌全体が上あご側に収まり、舌先が上の前歯を強く押さない状態が自然な状態です。
ただし、ここで大切なのは、「正しい位置にしなければ」と舌まで力ませないことです。
顔を休めたい時間には、歯・唇・舌・あごの周辺に「頑張らなくていいよ」と伝えるような気持ちで、少しずつ力をほどいていきましょう。

眉間・額・目元をリラックスする方法は?
パソコンやスマホを見る時間が長い人は、あごだけでなく額や眉間にも力が入りやすくなります。
顔上部の主な筋肉として、おでこに広がる前頭筋と、眉頭周辺にある皺眉筋があります。
前頭筋や眉間周辺が緊張していると、本来はまぶたを動かして目を開けばよい場面で、おでこの筋肉まで使って目を見開いてしまう「トリックモーション(代償動作)」という動作が起きてしまいます。
つまり、目をしっかり開こうとするあまり、額まで総動員してしまうのですね。
顔をリラックスさせたいなら、「目を大きく見開く」のとは反対の方向を意識してみましょう。
目を軽く閉じ、眉毛が上に引っ張られていないか確認します。
そして、眉間のシワを消そうと強く伸ばすのではなく、眉と眉の間がほんの少し広がっていくような感覚で力を抜きます。
額に手のひらや指の腹をそっと触れてみるのもよいでしょう。
左右にやさしく揺らすことで、緊張をゆるめられます。目安は30秒程度で、皮膚を強くこするのではなく、指の腹でそっと圧をかけることがポイントとされています。
ここはとても大切です。
「効かせたいから強く押す」必要はありません。
顔、とりわけ目元の皮膚はデリケートです。痛みを我慢しながら揉んだり、皮膚を強く引っ張ったりするのではなく、「触れることで力みに気づく」くらいから始めるほうが安心です。
また、スマホを長時間見続ける習慣にも注意したいところです。
伏し目になりやすい状態で長時間スマホを見ると、おでこの筋肉が緊張しやすいので、スマホの画面をやや高めに持ったり、使いすぎを避けたりすることを予防策として心がけましょう。
顔だけを揉んでも、毎日何時間も同じ姿勢で額や目元を緊張させていれば、また元の状態に戻りやすくなります。
顔のリラックスは、顔だけの問題ではない。
ここは、ぜひ覚えておきたいポイントですね。
頬・口元の表情が硬いときはどうリラックスする?
「笑顔をつくろうとしても頬が重い」「写真を撮ると表情がぎこちない」という人は、頬や口元にも注目してみましょう。
頬骨付近には、大頬骨筋と小頬骨筋があります。
大頬骨筋は口角を、小頬骨筋は上唇を引き上げる働きに関わります。
そのため、この部分が動かしにくくなると、笑顔をつくること自体が少し大変に感じられることがあります。
ただし、顔をリラックスさせたいからといって、いきなり大きな笑顔を何十回もつくる必要はありません。
おすすめしたいのは、「動かす」と「休ませる」をセットにすることです。
たとえば、
「あー」と口を軽く開く。
そのあと口を閉じて、頬とあごを脱力する。
次に、ほんの少しだけ口角を上げる。
そして、また力を抜く。
このように、大きく鍛えることよりも「今、力を入れた」「今、抜いた」という違いを感じてみます。
顔ヨガを行う際も、力みすぎると表情がこわばる可能性があるため、筋肉を「動かす・ゆるめる」という意識が大切だとされています。
また、早く終わらせようと雑に動かさず、最初は鏡を見ながらゆっくり行うこと、首や肩まで力ませないこと、呼吸を忘れないことも大切です。
顔の筋肉は小さいため、「もっと頑張ればもっと効く」と考えないほうがよい場合があります。
顔をゆるめたい人ほど、トレーニング中に真剣な表情になって眉間を寄せたり、肩を上げたりしやすいものです。
それでは、顔をリラックスさせるための時間なのに、別の場所へ緊張を引っ越しさせてしまいます。
私としては、鏡を見たときに「上手にできているか」を採点するより、「どこか余計に頑張っていないかな」と観察することのほうが大切だと考えています。
1分でできる顔のリラックス方法
顔がこわばっていると気づいたときに、短時間でできる方法をまとめてみましょう。
まず姿勢を無理に正そうとせず、椅子や背もたれに体を預けます。
肩をほんの少し上下させてから、ストンと下ろしてください。
次に、上下の奥歯を離します。
唇をぎゅっと閉じず、あごの重さを下へ預けるような感覚で力を抜きます。
目を軽く閉じ、眉間と額をゆるめます。
そして鼻から自然に息を吸い、急いで吐き切ろうとせず、ゆっくり呼吸します。
最後に、口を軽く「あ」の形に開き、閉じたら完全に脱力します。
この流れだけでも構いません。
また、「リズムテンポマッサージ」によって顔のこわばりを和らげるという方法もあります。
顔の中心から外側へ円を描くように手を動かし、頬、口角、小鼻、額、目の周り、こめかみを順にケアします。
この一連の流れ1回がおよそ1分で、最後に深呼吸をして気持ちを落ち着かせるのが良いとされています。
一方で、顔のリラックスを目的にするなら、必ずしもそのすべてを行う必要はありません。
肌を強くこすらず、心地よい範囲で触れること。
それだけでも、「ここが硬くなっていたんだな」と自分の状態に気づくきっかけになります。

顔マッサージは強くやるほど効果的なの?
強く押すほどよい、という考え方は避けたほうがよいでしょう。
顔のセルフケアでは、「筋肉をほぐしたい」という気持ちから、つい力が強くなってしまうことがあります。
しかし、強すぎる圧はNGです。
フェイスマッサージでは中指と薬指などを使い、目元のようなデリケートな部分はやさしく扱うようにしてみてください。
特にセルフケアでは、痛みを感じるまで押し込んだり、肌表面を何度も強く摩擦したりする必要はありません。
マッサージクリームなどを使い、手のすべりを良くして肌への負担を減らすのもおすすめです。
顔のリラックスで意識したいのは、「筋肉を力ずくで変えること」ではなく、緊張した状態から少しずつ力を引いていくことです。
肌に赤みや痛みが出るような方法は中止しましょう。
また、顎関節の痛み、口の開けづらさ、強い頭痛、歯の痛み、顔のしびれ、突然の左右差などがある場合には、単なる「顔のコリ」と自己判断せず、症状に応じて医療機関や歯科へ相談することが大切です。
顔がリラックスできない原因は、首・肩や呼吸にもある
ここまで顔の筋肉を中心に見てきましたが、実は顔だけを意識していると見落としやすいものがあります。
それが、首・肩・呼吸の緊張です。
首や肩に力が入りすぎると顔の動きが制限されやすいため、リラックスした姿勢で呼吸を忘れずに行うようにしましょう。
これは、顔のリラックスを考えるうえでとても大切です。
たとえば、パソコン作業中に肩をすくめ、首を前へ突き出し、呼吸まで浅くなっている状態で「顔だけゆるめよう」としても、なかなかうまくいかないことがあります。
顔の筋肉だけが孤立して存在しているわけではないからです。
私が心と体のケアという視点から大切だと感じるのは、顔を身体全体の緊張を知らせてくれるサインとして見ることです。
「眉間に力が入っているな」と気づいたら、眉間だけを揉むのではなく、
肩は上がっていないか。
息を止めていないか。
奥歯を噛んでいないか。
手まで握りしめていないか。
そこまで確認してみます。
すると、「顔が力んでいた」という小さな気づきから、身体全体を休ませるきっかけをつくれます。
特に、緊張しているときほど「深く吸わなければ」と頑張らなくて大丈夫です。
まず息を吐き、肩やあごの力をほどいてから、自然に次の息が入ってくるのを待ってみましょう。
リラックスは、力を足してつくる状態というより、余計な力を一枚ずつ脱いでいく状態に近いのかもしれません。
顔のリラックスを妨げる日常習慣とは?
セルフマッサージを数分すること以上に、毎日の「力む時間」を減らすことも大切です。
特に意識したいのが、スマホ、食いしばり、無表情、表情を頑張りすぎるクセです。
スマホを伏し目の状態で長時間見ることがおでこの筋肉の緊張につながる可能性があるため、画面を高めに持つことや長時間の使用を控えることが大切す。
また、咬筋の緊張を防ぐため、日中は上下の奥歯を離す意識を持つこともなるべく忘れずにいると良いです。
一方で、「表情筋は使わなければいい」というわけでもありません。
頬や口角を引き上げる筋肉は使わない状態が続くと衰えやすいので、笑顔をつくることも大切です。
つまり、「動かさないこと」と「力ませないこと」は別なのですね。
ここが、顔のリラックスを考えるときの大切なポイントです。
顔を休ませるとは、ずっと無表情に固定することではありません。
笑うときには笑う。
話すときには口や頬を動かす。
そして使い終わったら、また力を抜く。
必要なときに動き、必要のないときには休める。
私は、この切り替えこそが顔のリラックスではないかと考えています。
トレーニングだけを増やすより、日常の中で「今は顔を使わなくていい時間」と気づいて脱力するほうが、続けやすい人も多いでしょう。
たとえば信号待ち、電車の中、仕事の一区切り、入浴中、眠る前。
ほんの10秒でも、奥歯を離して眉間をゆるめてみてください。
特別な道具がなくてもできます。
顔をリラックスすると表情の印象も変わる?
顔の筋肉が強く緊張していると、本人にそのつもりがなくても、険しい表情や疲れた印象につながります。
前頭筋や皺眉筋が硬くなることで目元が動かしづらくなったり、頬周辺の筋肉が硬くなることで笑顔をつくりづらくなったりする可能性があるからです。
咬筋が強く緊張している場合には、口角が下方向へ引っ張られるような印象にもつながります。
また、顔のこわばりは「声」の印象にも関係します。
顔や口元が動きやすくなることで、発声や滑舌にも変化が生じる可能性があります。
ただし、ここで「いつも笑顔でいなければ」と思う必要はありません。
疲れている日に無理に明るい表情をつくらなくてもよいのです。
顔をリラックスさせる目的は、他人から好印象に見られるためだけではありません。
むしろ、自分自身が「もう緊張し続けなくていい」と体へ知らせるための時間と考えてみてはいかがでしょうか。
表情は、心だけが一方的につくるものではありません。
忙しいときに肩が上がり、歯を噛みしめ、眉間が固まるように、身体の状態も表情に現れます。
だからこそ、顔にそっと触れて力を抜くことが、「今日は少し頑張りすぎていたかも」と気づく入口になることがあります。
考察|顔のリラックスで大切なのは「鍛える」より「切り替える」こと
今回の複数の参考情報を見比べると、顔のセルフケアには大きく二つの方向性があります。
一つは、硬くなった部分をやさしくほぐすこと。
もう一つは、普段あまり使われていない表情筋を意識的に動かすことです。
一見すると、「ゆるめる」と「鍛える」は反対のように感じます。
しかし私は、両者の間にある緊張と弛緩を切り替える力こそ、顔をリラックスさせるうえで重要だと考えています。
ずっと緊張している筋肉は休ませる。
ずっと動かしていない場所は、無理のない範囲で動かす。
そして動かしたあとは、また休ませる。
このリズムです。
たとえば食いしばりが強い人にとっては、「咬筋をさらに鍛えること」よりも、まず奥歯が接触している時間に気づき、離すことのほうが優先度は高いでしょう。
反対に、一日中ほとんど人と話さず、頬や口周りをほとんど動かしていない人なら、口角や頬をやさしく動かしてから脱力するほうが心地よい場合もあります。
全員に同じ方法が合うわけではありません。
これは健康情報を見るときに、とても大切な視点です。
「このマッサージを何回すれば正解」という数字だけを追いかけるのではなく、自分はどこを使いすぎ、どこを使わなさすぎているのかを見る。
それだけで、セルフケアはぐっと自分に合ったものになります。
そしてもう一つ、私は「顔だけを直そうとしないこと」も重要だと思います。
食いしばっているとき、もしかすると肩も硬くなっています。
眉間が険しくなっているとき、もしかするとスマホに顔を近づけすぎています。
口元が固まっているとき、もしかすると息を止めて作業に集中しています。
顔は、身体全体の緊張を映す小さな窓のようなものです。
だから、「顔が固い」と感じたら、それを欠点として見るのではなく、「少し休んだほうがいいかもしれない」という身体からの合図として受け取る。
私はそのくらいの距離感が、無理なく続けられるケアにつながると考えています。
強い力で変えようとするよりも、まず気づく。
一度ゆるめてみる。
また力んだら、もう一度ゆるめる。
その繰り返しで十分です。
まとめ|顔をリラックスする方法は「余計な力を減らす」ことから
顔をリラックスする方法を探しているなら、最初に意識したいのは、奥歯・あご・眉間・額・肩の力を抜くことです。
上下の奥歯を離し、唇やあごをゆるめ、目を軽く閉じて眉間の力をほどいてみてください。そこにゆっくりした呼吸を重ねるだけでも、日常に取り入れられる顔の休息になります。
マッサージや顔ヨガも選択肢ですが、強く押したり、回数を増やしすぎたりする必要はありません。
「動かす」と「ゆるめる」をセットにして、自分が心地よい範囲で続けることが大切です。
そして、スマホを見る姿勢や食いしばり、首・肩の緊張にも目を向けてみましょう。
顔をリラックスさせる時間は、単なる美容ケアではなく、自分の心と体がどれくらい頑張っていたのかに気づく小さな休憩にもなります。
今日ふと顔のこわばりに気づいたら、まず奥歯をそっと離してみてください。
それだけでも、「力を抜いていい時間」が始まります。
よくある質問
顔の力を抜くには、どこから始めればいいですか?
まずは上下の奥歯を離し、あごと眉間の力を抜くことから始めてみてください。
そのうえで肩を下ろし、自然な呼吸を続けると、顔だけを無理に脱力しようとするより取り組みやすくなります。
顔マッサージは痛いくらい強くしたほうがいいですか?
いいえ。強い刺激が必要とは限りません。
特に目元などはデリケートなので、皮膚を強くこすったり、痛みを我慢して押したりせず、心地よい範囲でやさしく触れることを優先しましょう。
顔がいつも緊張しているのは食いしばりが原因ですか?
食いしばりは一つの要因になり得ますが、それだけとは限りません。
スマホやパソコンを見る姿勢、眉間や額の力み、首・肩の緊張などが重なっていることもあります。顎関節の痛みや歯の痛み、口が開きづらい状態などが続く場合は、自己流のマッサージだけで対応せず、歯科や医療機関へ相談してください。
結城紬(心と体のケアアドバイザー)


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