食べ物・飲み物でリラックスする方法|ほっと一息つきたいときの選び方

明るい部屋のテーブルに温かいハーブティー、バナナ、ヨーグルト、ナッツ、野菜などが並び、ゆっくり休憩している人 リラックス

食べ物や飲み物でリラックスしたいなら、特定の一品に頼るのではなく、栄養バランスとカフェイン・糖分・アルコールの摂り方を整えながら、自分がほっとできるものを選ぶことが大切です。

疲れた日に温かい飲み物を口にしたり、バナナやヨーグルトを食べたりすると、それだけで少し肩の力が抜けることがありますね。食事だけでストレスそのものを消せるわけではありませんが、心と体が働くために必要な栄養を不足させないことは、毎日を穏やかに過ごすための土台になります。

食べ物・飲み物でリラックスする方法とは?

食べ物や飲み物を選ぶときに意識したいのは、「これを食べれば一気にリラックスできる」という発想より、神経やエネルギー代謝に関わる栄養素を普段の食事で補うことです。

自律神経は呼吸や心拍、消化などを調節する仕組みで、活動時に働きやすい交感神経と、休息時に働きやすい副交感神経から成ります。

自律神経のバランスを保つことで、心身の健康を保つことができますが、ストレス、不規則な生活や食事、ホルモンバランスの変化、病気などが影響すると、だるさ、頭痛、動悸、便秘・下痢、不安、イライラ、不眠、集中力低下など、心身のさまざまな不調につながることがあります。

つまり、食べ物だけを変えれば自律神経の問題がすべて解決するわけではありません。

それでも、食事は毎日繰り返すものだからこそ、心身を支える小さな習慣として見直す価値があります。

特にリラックスしたいときの食事で注目されているのが、次のような栄養素です。

  • トリプトファン:大豆製品、乳製品、バナナ、穀類、鶏肉、魚など
  • GABA:トマト、発芽玄米、玄米、なす、発酵食品など
  • ビタミンB群:豚肉、魚、卵、納豆、ナッツ類など
  • ビタミンC:パプリカ、ブロッコリー、果物、いも類など
  • ビタミンE:ナッツ類、アボカド、魚など
  • 食物繊維:いも類、きのこ、海藻など

ただし、ここで大切なのは「GABAだけ」「トリプトファンだけ」とひとつの栄養素に集中しすぎないことです。

サロンで心身の悩みを伺っていると、疲れているほど「何を飲めばいいですか」「何を食べれば一番効きますか」と、ひとつの答えを探したくなる方が少なくありません。

けれども私は、心を休ませる食事ほど“足し算を頑張る”より、“偏りを少なくする”ことが先だと考えています。


リラックスしたいときに選びたい食べ物は?

リラックスする方法として食べ物を探しているなら、まず毎日の食事に取り入れやすいものから考えてみましょう。

特別な健康食品を探さなくても、スーパーやコンビニで手に入る身近な食品の中に選択肢はあります。

バナナ・大豆製品・乳製品

トリプトファンは、体内で十分に合成できない必須アミノ酸のひとつで、神経伝達物質であるセロトニンを作る材料になります。

トリプトファンを含む食品として、バナナ、大豆製品、乳製品、穀類、鶏むね肉、レバー、マグロなどが挙げられます。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の成人では、体重1kgあたり4mgを摂取することが推奨されています。

例えば、牛乳200mlには約92mg、木綿豆腐150gには約150mgのトリプトファンが含まれます。

とはいえ、数字を毎食計算する必要はありません。

たとえば朝に「バナナ+ヨーグルト」、昼や夜に「豆腐入りのみそ汁」といった組み合わせなら、食事として無理なく取り入れやすいですね。

疲れて料理をする元気がない日にも、納豆、豆腐、ヨーグルト、バナナなどは比較的準備の負担が小さい食品です。

“心を整えるために頑張って料理する”必要はありません。疲れている日は、疲れている日の食べ方で十分です。

トマト・玄米・発酵食品などのGABAを含む食品

GABA(γ-アミノ酪酸)はアミノ酸の一種で、神経系で働く物質として知られています。

GABAを含む食品として、トマト、玄米、なす、キムチ、漬物、味噌などが挙げられます。

たとえば、夕食を「発芽玄米+豆腐のみそ汁+トマト」とするだけでも、複数の食品を自然に組み合わせられます。

一方で、GABAを含む食品だけで病気や強い不安、不眠などが改善すると考えるのは避けたいところです。

食べ物はあくまで日常的な健康管理の一部として考えましょう。

魚・肉・卵・ナッツなどのビタミンB群

ビタミンB群は、食事から摂った栄養をエネルギーとして利用する過程など、体内のさまざまな働きに関係します。

ビタミンB1を含む食品として豚肉や大豆、ビタミンB2では卵や納豆、ビタミンB6では鮭やマグロ、さんまなどが挙げられます。

特にビタミンB6は、神経伝達物質の合成にも関わる栄養素です。

「今日は頭が疲れたな」と感じる日に、甘い菓子だけで空腹を埋めるより、魚、卵、納豆、豆腐などを組み合わせた食事を選ぶほうが、栄養バランスは整えやすくなります。

大切なのは、「リラックス食品を食べる」というより、疲れているときほど食事を極端に崩さないことなのかもしれません。

※画像はAIによるイメージ

野菜・果物・いも類でビタミンCを補う

ビタミンCも、ストレスに対応するときに体内で使われるさまざまな物質の生成に関係しています。

ビタミンCを含む食品には、ブロッコリー、パプリカ、レモン、イチゴなどがあります。

また、じゃがいもやさつまいもにもビタミンCが含まれ、いも類のビタミンCはでんぷんに守られるため加熱による損失が比較的少ないです。

「野菜をたくさん食べなければ」と考えると負担になってしまう方は、昼食に野菜スープを足す、おやつを果物やふかしたさつまいもにする、といった小さな方法でもよいでしょう。

食事の改善そのものがストレスになってしまっては、本末転倒です。


リラックスするときにおすすめの飲み物は?

リラックスする方法として飲み物が向いている理由は、食欲がなくても取り入れやすく、「ひと息つく時間」そのものを作りやすいことです。

忙しい日ほど、何かを食べる時間は取れなくても、一杯の飲み物なら少し立ち止まれることがあります。

水・白湯

まず忘れたくないのが、特別な成分を含む飲料ではなく「水」です。

水分が不足すると血流などに影響し、体が循環を保つための調整を行う必要があることから、こまめな水分補給を行うことが重要です。

水は薬ではありませんし、飲めば自律神経が整うと単純化することもできません。

ただ、忙しいと水分補給そのものを忘れてしまう方は珍しくありません。

朝起きたとき、仕事の合間、入浴後など、生活の区切りに一杯飲むだけでも、水分を不足させにくくなります。

冷たい飲み物が苦手なら、常温の水や白湯でも構いません。

温かいカップを両手で包み、急いで流し込まず、ひと口ずつ味わう。

その数分は、栄養素以上に「今は休んでもいい」と体に知らせる時間になるのではないでしょうか。

ホット豆乳

豆乳は大豆から作られるため、たんぱく質やトリプトファンを摂れる飲み物です。

豆乳は朝食やおやつ代わりとして取り入れやすく、温めて飲むとやさしい味わいになります。

「何か食べるほどではないけれど、少しお腹が空いて落ち着かない」というときにも選びやすいでしょう。

無調整豆乳の味が苦手なら、無理をして選ぶ必要はありません。

健康のためだからと嫌いな味を我慢するより、続けやすいものを選ぶほうが、長い目で見れば心にもやさしいはずです。

ココア

ココアも、リラックスタイムの飲み物として有効です。

チョコレートやココアに含まれるポリフェノールに関する研究として、チョコレートを摂取した際の脳波や自律神経の変化を調べた事例があります。

その研究では、チョコレート摂取後に約3割でα波の増加がみられ、15人中8人で副交感神経が優位になったという結果が示されました。

ただし、糖分を摂りすぎると、逆効果になる場合があるので、ココアを選ぶなら、甘さを控えめにして、味そのものを楽しむくらいがよいでしょう。

「今日も疲れた」と感じた夜に、温かいココアをゆっくり飲む。その行為そのものが、慌ただしい一日と休息時間の境目をつくってくれることがあります。

ハーブティー

カモミール、レモンバーム、ラベンダーなどのハーブティーも、リラックスタイムの候補として挙げられます。

カモミールはやさしい甘みと花の香り、レモンバームは爽やかな香り、ラベンダーは華やかで落ち着いた香りを楽しむことができます。

多くのハーブティーはカフェインを含まないものがあり、夜に選びやすいことも魅力です。

ただし、ハーブの種類によっては、妊娠中・授乳中の方、持病のある方、薬を使用している方には適さない場合があります。

「天然だから何でも安全」と考えず、気になる場合は医師や薬剤師に確認してください。

緑茶は昼間のひと休みに

緑茶には、うま味成分のひとつであるテアニンが含まれています。

テアニンは、リラックスや睡眠、自律神経と関連すると言われています。

ただし緑茶にはカフェインも含まれるため、「リラックスしたいから何杯でも飲んでよい」というわけではありません。

私は、緑茶は夜の睡眠前より、昼間に気持ちを切り替えたいときの一杯として考えるのが使いやすいと思います。

香りを感じながらゆっくり飲む。それだけでも、仕事モードから短い休憩へ切り替えるきっかけになりますね。


カフェイン・甘い飲み物・アルコールはどう考える?

リラックスしたいときは、「何を摂るか」と同じくらい、摂りすぎているものがないかを見ることも大切です。

特に気をつけたいのが、カフェイン、糖分の多い飲料、アルコールです。

カフェインは量と時間を意識する

カフェインには覚醒作用があり、コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれます。

米国食品医薬品局(FDA)によると、健康な成人が摂取して良い量は1日400mgまでとなっています。

ただし、カフェインへの感受性には大きな個人差があります。

同じ一杯でも、平気な方もいれば、動悸や落ち着かなさを感じたり、夜眠れなくなったりする方もいます。

「一日の上限まで飲んでよい」と考えるより、自分が眠れる量、心地よく過ごせる量を探すことのほうが大切です。

夕方以降に眠りにくくなる方なら、午後からノンカフェインの飲み物へ切り替えるのもひとつの方法でしょう。

甘い飲み物は「禁止」より量を調整する

疲れると甘いものが欲しくなることがありますね。

その気持ちまで否定する必要はありません。

一方で、糖分の多い清涼飲料や甘いコーヒーを何本も飲む習慣が続くと、食事全体のバランスを崩す原因になりやすくなります。

甘いものを楽しみたい日は、小さなサイズを選ぶ、無糖飲料と組み合わせる、お菓子と甘い飲み物を同時に大量に摂らない、といった工夫でも十分です。

「食べてはいけない」と強く制限し、そのこと自体がストレスになるより、楽しみながら量を調整できる形を探したいですね。

アルコールを「眠るための飲み物」にしない

アルコールを飲むと一時的に緊張がほどけ、眠くなることがあります。

しかし、過剰な飲酒は自律神経や睡眠などに影響する可能性があります。

体質や健康状態、飲酒頻度を含めて、摂取量を考えることが重要です。

特に「眠れないからお酒を飲む」が習慣化している場合、リラックス方法をアルコールだけに任せないほうがよいでしょう。

温かいノンカフェイン飲料に置き換えたり、入浴や照明を暗くする習慣と組み合わせたりする方法があります。

※画像はAIによるイメージ

ほっと一息つきたいときは「何を飲むか」より「どう飲むか」も大切

ここまで栄養素や食品を見てきましたが、私がもうひとつ大切にしたいのが、食べ物や飲み物を“休む合図”として使うことです。

リラックスというと、成分や効能ばかりに目が向きます。

けれど、同じハーブティーでも、仕事をしながら慌てて飲み干すのと、スマートフォンをいったん置いて香りを感じながら飲むのとでは、過ごしている時間そのものが違いますね。

たとえば、こんな選び方があります。

朝なら、バナナとヨーグルト、豆乳など、食欲がなくても比較的取り入れやすいものを。

昼の仕事の合間なら、緑茶や水と一緒にナッツ、果物、ヨーグルトなどを少量。

夕方以降なら、カフェイン量を気にしながら、白湯、カフェインを含まないハーブティー、温めた豆乳などを選ぶ。

小腹が空いた夜なら、甘い菓子を大量に食べる前に、少量のヨーグルトや果物などで一度お腹の状態を確かめてみる。

こうして時間帯まで含めて考えると、「リラックスに効く食べ物探し」から、「自分を疲れさせにくい食生活づくり」へ視点が変わります。

これは、理想的な食生活について調べ、熟考した中で、私が特に大切だと感じた点です。

リラックスのための食事は、“効く食材”ではなく、1日の緊張と休息のリズムを支える道具として考えるほうが実践しやすいのではないでしょうか。


食べ物でリラックスしたい人が避けたい3つの思い込み

まず避けたいのが、「この食品さえ食べればストレスがなくなる」という考え方です。

トリプトファンやGABA、ビタミン類などは体に必要な栄養素ですが、それだけで強いストレスや不眠、不安などの原因そのものを取り除けるわけではありません。

次に、「健康に良い食品なら多いほどよい」という考え方にも注意したいところです。

ナッツやチョコレート、果物なども、食べる量によってはエネルギーや糖質を多く摂ることになります。

健康食品やサプリメントも同じです。

不足している栄養を補う選択肢にはなりますが、複数の商品を自己判断で大量に摂るより、基本の食事を整えることを優先したいですね。

そしてもうひとつが、「疲れているのは食生活が悪い自分のせい」という考え方です。

仕事、人間関係、睡眠不足、環境の変化、病気など、心身の状態には多くの要因が関わります。

栄養は大切ですが、すべてを食生活の責任にしてしまう必要はありません。

食事は自分を責める材料ではなく、自分を支えるための手段として使ってほしいと思います。


私が考える「リラックスする食事」のいちばん大切なこと

心と体のケアに関わってきた立場から感じるのは、疲れている人ほど「正しいリラックス方法」を一生懸命探してしまうことです。

GABAは何mg、トリプトファンは何mg、カフェインは何時まで――。

もちろん、数字や科学的な情報はとても大切です。

一方で、その数字を守ることに神経を使いすぎてしまえば、本来休むための食事が新しい宿題になってしまいます。

私は、リラックスするための食事には3つの段階があると考えています。

まず、水分や食事が極端に不足しないこと。

次に、主食・主菜・副菜などをできる範囲で組み合わせ、トリプトファン、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維などをさまざまな食品から摂ること。

そして最後に、自分が「ほっとする」と感じる味や温度、香りを大切にすることです。

この順番なら、「体のため」と「心のため」を無理なく両立しやすくなります。

たとえば、温かい豆乳が苦手なのに「リラックスに良いらしいから」と我慢して飲む必要はありません。

白湯のほうが落ち着くなら白湯でいいですし、昼間のコーヒーが大切な楽しみなら、量や時間を調整しながら楽しむ方法を探せばよいのです。

リラックスとは、健康情報に自分を合わせ続けることではありません。

自分の体の反応を確かめながら、安心できる選択を少しずつ増やしていくことだと私は考えています。


食事だけではつらさが続くときはどうする?

自律神経の乱れに似た不調には、病気が関係している場合があります。

頭痛、めまい、動悸、吐き気、不眠、強い不安、食欲低下などが長く続く場合、食事だけで何とかしようとせず、医療機関へ相談することも大切です。

ストレスなどを背景に食べ物がおいしく感じられない、いつもと違う味に感じるといった味覚の変化が現れる場合があり、その状態が続くときは受診を検討するよう案内しています。

また、食事がほとんど喉を通らない状態が数日続く場合も、飲み物だけで我慢し続けるのではなく相談したほうが安心です。

リラックスのための食事は医療の代わりではありません。

セルフケアで支えられる範囲と、専門家に頼ったほうがよい範囲を分けて考えることも、心と体を守るためには欠かせない視点です。


まとめ|リラックスする方法は「食べる内容+休む時間」で考えよう

食べ物や飲み物でリラックスしたいときは、トリプトファンを含む大豆製品や乳製品、バナナ、GABAを含むトマトや玄米、ビタミンB群を含む魚・肉・卵、ビタミンCを含む野菜や果物などを、無理のない範囲で普段の食事に取り入れてみましょう。

飲み物なら、水や白湯、豆乳、ココア、ノンカフェインのハーブティーなどが、ひと息つく時間のお供になります。緑茶やコーヒーも楽しめますが、カフェインに敏感な方や睡眠への影響を感じる方は、量と時間帯を調整してください。

一方で、カフェインや糖分、アルコールを摂りすぎないこと、そして「ひとつの食品だけでストレスを何とかしようとしないこと」も大切です。

私は、食べ物のリラックス効果を考えるとき、成分だけを見るのでは少し足りないと思っています。

温かいカップを持つこと。

ひと口ずつ味わうこと。

スマートフォンから目を離すこと。

「今は少し休んでいい」と自分に許すこと。

その小さな時間まで含めて、一杯のお茶や一皿の食事は休息になります。

毎日完璧な食事を用意しなくても大丈夫です。

今日はバナナをひとつ足す。

夜のコーヒーを白湯にしてみる。

ヨーグルトを食べながら5分だけ何もしない。

そんな小さな選択を重ねることから、あなたに合った「ほっと一息」の形を見つけてみてくださいね。


よくある質問

リラックスしたいとき、手軽に食べられるものは何ですか?

バナナ、ヨーグルト、豆乳、納豆、豆腐、ナッツなどは、比較的準備が少なく取り入れやすい食品です。

特定のひとつを大量に食べるのではなく、普段の食事の一部としてバランスよく取り入れることをおすすめします。

夜にリラックスしたいときは何を飲めばいいですか?

白湯、温めた豆乳、カフェインを含まないハーブティーなどが選びやすいでしょう。

コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物で眠りにくくなる方は、夕方以降の量や時間帯を調整してみてください。

甘いものを食べると落ち着くのですが、やめたほうがいいですか?

完全に禁止する必要はありません。

甘いものが楽しみになっているなら、量や頻度を調整しながら味わう方法があります。健康のための制限そのものが大きなストレスにならないよう、自分が無理なく続けられる範囲を大切にしてください。

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