不安や動悸を感じたときは、安全な姿勢で休み、無理に深く吸わず、息をゆっくり吐きながら体の力を緩めることが基本です。
ただし、動悸はストレスや緊張だけでなく、心臓の病気や不整脈、貧血などが関係している場合もあります。胸の痛み、強い息切れ、冷や汗、失神などを伴うときは、リラックス法だけで様子を見ず、速やかに医療機関へ相談することが大切です。
「心臓がバクバクする」「息が浅くなって苦しい」「頭では大丈夫と思っているのに、体だけが落ち着かない」。
そんな状態になると、「この動悸を早く止めなければ」「もっと深呼吸しないと」と焦ってしまうことがありますね。
けれど、不安が強いときほど、無理に自分を落ち着かせようとすると、かえって心臓の鼓動や呼吸へ意識が集中してしまうことがあります。
リラクゼーション法とは、呼吸をゆっくりさせたり、筋肉の緊張を緩めたりしながら、心身を休息しやすい状態へ近づけていく方法です。
代表的なものには、呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法、誘導イメージ法、バイオフィードバックなどがあります。
この記事では、不安や動悸があるときに今すぐできるリラックス方法から、繰り返す場合に見直したい生活習慣、病院を受診したほうがよい症状まで、心と体の両面から分かりやすく整理していきます。
不安や動悸があるとき、まず何をすればいい?
不安や緊張から動悸を感じているときは、まず安全な場所で座るか横になり、呼吸と体の緊張を少しずつ落ち着かせることから始めてみてください。
動悸とは、普段ならほとんど意識しない心臓の鼓動を、「ドクドクする」「バクバクする」「強く打っている」「脈が速い」と感じる状態です。
ストレスや強い緊張、過労、睡眠不足、カフェインなどをきっかけとして、一時的に動悸を感じることもあります。
ただ、動悸が起きるとそれ自体が怖くなり、
「もっと心拍数が上がったらどうしよう」
「このまま倒れてしまうのでは」
と、不安がさらに膨らむことがあります。
このとき大切なのは、動悸を力ずくで止めようとしないことです。
まずは次の順番で、できることをひとつずつ試してみましょう。
- 椅子に座る、または安全な場所で横になる
- 首元やベルトなど、苦しいものがあれば少しゆるめる
- 無理に大きく吸わず、ゆっくり息を吐く
- 肩、手、あご、お腹などに入っている力を少し抜く
- 暑すぎる、騒がしいなどの刺激があれば、可能な範囲で環境を変える
- コーヒーやエナジードリンクなど、追加のカフェインを控える
- 症状が強い、長く続く、繰り返す場合は医療機関への相談を考える
「全部やらなければ」と思わなくて大丈夫です。
たとえば、まず椅子に座る。それだけでも構いません。
次に一度だけ、ゆっくり息を吐いてみる。できそうなら肩を少し下ろしてみる。
不安が強いときの体は、言ってみれば警報装置が敏感になっている状態です。
大きな音で鳴っている警報を力ずくで壊そうとするのではなく、「今は少し休んでも大丈夫かもしれない」と、体へ小さな安全のサインを届けていくイメージですね。
不安を落ち着かせるリラックス方法① ゆっくり呼吸する
不安や動悸があるときに、もっとも手軽に試しやすい方法のひとつがゆっくりした呼吸です。
ポイントは、いわゆる「大きな深呼吸」を頑張ることではありません。
吸うことよりも、吐く息を急がないことを意識してみてください。
まず、椅子の背もたれに体を預けるなどして、楽な姿勢をとります。
そして鼻から無理のない範囲で息を吸い、口や鼻からゆっくり吐いてみます。
「たくさん空気を吸わなければ」と考える必要はありません。
不安が強いときは、「深呼吸をしよう」と意識しすぎることで、かえって呼吸が苦しく感じる人もいます。
その場合は、呼吸の深さではなく、
「今より少しだけ、吐くスピードをゆっくりにする」
くらいで十分です。
たとえば、
「ふー……」
と細く長く息を吐き、そのあと自然に入ってくる空気を受け取ってみます。
吸うことを頑張らなくても、息を吐けば次の空気は自然に入ってきます。
私はこの「自分で吸おうとしすぎない」という感覚が、不安の強いときにはとても大切だと感じています。
不安なときは呼吸まで「自分でちゃんと管理しなければ」と思いやすいからです。
でも本来、呼吸は眠っている間にも続いているものですよね。
すべてを自分でコントロールしようとせず、体がもともと持っている呼吸の流れに少し任せるくらいの気持ちで構いません。
違和感が出た場合は、呼吸法を頑張って続ける必要はありません。
いったん自然な呼吸に戻し、安全な姿勢で休んでください。

動悸のリラックス方法② 体の力を抜く漸進的筋弛緩法
「息を整えようとしても、肩や首がガチガチで落ち着かない」。
そんな人には、漸進的筋弛緩法というリラクゼーション方法もあります。
漸進的筋弛緩法は、筋肉へ一度意識的に力を入れ、そのあと力を抜くことで、緊張している状態と緩んでいる状態の違いを感じ取りやすくする方法です。
不安が強いときは、本人が気づかないうちに体のさまざまな場所へ力が入っています。
肩が上がっている。
歯を食いしばっている。
手を強く握っている。
お腹に力が入っている。
眉間へしわが寄っている。
こうした小さな緊張が重なると、「なんとなくずっと落ち着かない」という感覚につながることがあります。
漸進的筋弛緩法では、体の一部に10秒ほど力を入れ、その後15~20秒程度力を抜く方法などが一般的です。
ただし、不安や動悸が強い最中に、全身を一気に行う必要はありません。
むしろ最初は、手や肩など分かりやすい場所をひとつだけ試してみるほうが取り組みやすいでしょう。
たとえば手なら、痛くならない程度に軽く握りこぶしを作り、数秒だけ力を入れます。
そのあと、ふっと手を開いて膝の上などへ置きます。
「さっきより手が柔らかくなったかな」
そのくらいの感覚で十分です。
肩なら、少しだけ肩を耳へ近づけるように持ち上げ、そのあと息を吐きながらストンと下ろしてみます。
あごに力が入っている人なら、上下の歯をわずかに離してみるだけでもよいでしょう。
ここで重要なのは、力比べをしないことです。
筋肉へ力を入れるとしても、全力ではなく6~7割程度、あるいはもっと弱くても構いません。
痛みを感じるほど力を入れる必要はありませんし、筋肉や関節に痛みがある場所は避けてください。
私は、不安が強い人ほど「頑張って緩める」という感覚から離れてほしいと感じています。
リラックスしようとして一生懸命になると、「ちゃんと脱力できているかな」「まだ力が残っている」と、それ自体が新しい緊張になってしまうからです。
「今、肩に力が入っていたんだな」
そう気づけるだけでも十分です。
緊張に気づくことは、緊張を緩める第一歩だからです。
なお、心疾患のある人は、漸進的筋弛緩法を行う前に、かかっている医療機関へ相談したほうがよい場合があります。
ケガや痛みなどがある場合も、その部分を無理に緊張させず、医療者の指示を優先してください。
不安が強いときは「自律訓練法」やイメージ法も選択肢
リラクゼーション法には、呼吸や筋肉を使う方法以外にもいくつかあります。
代表的な方法として、自律訓練法、誘導イメージ法、バイオフィードバック、自己催眠などがあります。
自律訓練法は、「手足が重い」「手足が温かい」といった、リラックスしているときに感じやすい身体感覚へ意識を向けながら、心身を落ち着いた状態へ近づけていく方法です。
ただし、無理に「温かいと感じなければ」と思う必要はありません。
「少し重いかな」
「よく分からないな」
それでも構いません。
リラクゼーションは、正しい感覚を当てるテストではないからです。
誘導イメージ法では、自分が安心できる場所や、穏やかさを感じる風景などを頭の中に思い浮かべます。
たとえば、
- 静かな海辺
- 木々に囲まれた公園
- 雨音が聞こえる部屋
- 温かい布団の中
- 落ち着くカフェ
- 大切なペットと過ごしている場面
などです。
ここで私がとても大事だと感じるのは、世間一般の「癒やされそうな景色」を選ぶ必要はないということです。
海が苦手なら、海を思い浮かべる必要はありません。
自然が好きでなければ、森を想像しなくてもいいのです。
静かな自室でも、好きな椅子でも、いつもの毛布でも構いません。
リラクゼーション法は「正解を当てるもの」ではなく、自分の体が少し安心できる感覚を探していくものだからです。
一方で、リラクゼーション法を行うことで、まれに不安が強まったり、望んでいない記憶や考えが浮かんだりすることもあります。
過去につらい経験や心的外傷がある人にとっては、目を閉じたり、体の内側へ注意を向けたりする方法が、必ずしも心地よいとは限りません。
「リラックス法なのだから、苦しくても続けなければ」
そう思わないでください。
やってみて不安が増えるなら、そこでやめても大丈夫です。
目を開けて周囲を見たり、足の裏で床を感じたり、別の活動へ切り替えたりして構いません。
自分に合わない方法を知ることも、自分を守るための大切な情報です。
不安・動悸を繰り返す人が見直したい生活習慣
その場を落ち着かせる方法と同じくらい大切なのが、不安や動悸が起こりやすい土台を、日常生活の中で少しずつ整えることです。
一時的な動悸には、ストレス、緊張、過労、睡眠不足、カフェインやアルコールなどが影響している場合があります。
ただし、何かひとつを「原因」と決めつける必要はありません。
複数の要因が重なった日に起こりやすくなることもあるからです。
たとえば、
「仕事が忙しくて寝不足だった」
「昼食をほとんど食べず、午後にコーヒーを何杯も飲んだ」
「疲れているのに夜遅くまでスマートフォンを見ていた」
そんな日だけ動悸が起こりやすいのであれば、生活とのつながりを考える手がかりになります。
カフェインの摂り方を振り返る
特に見直しやすいもののひとつがカフェインです。
カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、エナジードリンクなどにも含まれていることがあります。
だからといって、好きな飲み物をすべて禁止する必要はありません。
「最近、動悸が起こった日の午後にコーヒーを何杯も飲んでいなかったかな」
「寝不足の日にエナジードリンクを重ねていなかったかな」
そんなふうに、自分の生活と症状の関係を観察してみるだけでも役立ちます。
不安になりやすい人ほど、「もう一生コーヒーを飲んではいけない」と極端に考えてしまうことがあります。
でも大切なのは、自分にとってどのくらいが心地よいのかを探すことです。
睡眠不足や疲労をため込まない
睡眠不足や疲労が重なると、心も体も刺激へ敏感になりやすくなります。
普段なら気にならない心臓の鼓動が、大きく感じられることもあるでしょう。
とはいえ、「毎日8時間必ず眠らなければ」と新しいノルマを作ってしまうと、今度は睡眠そのものがプレッシャーになることがあります。
そのため、
「起床時刻を大きくずらさない」
「眠る直前まで仕事を続けない」
「夜は照明やスマートフォンの刺激を少し減らす」
といった、小さなところから整えてみるほうが続けやすいでしょう。
体調がよい日は軽く体を動かす
体調に問題がなければ、ウォーキングなどの軽い運動を生活に取り入れる方法もあります。
「運動しなければ」といきなり激しいトレーニングを始める必要はありません。
近所を10分ほど歩く。
買い物へ歩いて行く。
家の中で軽く体を伸ばす。
そのくらいからでも十分です。
ただし、運動中や運動後に強い動悸、胸の痛み、息苦しさ、めまいなどが出る場合は、運動で慣らそうとせず医療機関への相談を優先してください。

動悸は「不安だから」と決めつけないことも大切
ここは、この記事の中でも特に大切な部分です。
動悸があるからといって、すべてをストレスや自律神経のせいにしないことが大切です。
動悸は緊張や不安による一時的な反応として起こることもあります。
一方で、不整脈やその他の心疾患、甲状腺などホルモンに関わる異常、貧血など、体の病気が関係している場合もあります。
症状だけを見て、本人が原因を完全に見分けることは難しいことがあります。
そのため、「いつもの不安だろう」と決めつけすぎないことも、自分の体を守るうえでは大切です。
特に、次のような症状を伴う場合には注意が必要です。
- 胸の痛みや圧迫感を伴う
- 冷や汗が出る
- 強い息切れがある
- 意識が遠のく、または失神する
- 突然強い動悸が始まり、なかなか止まらない
- 強いめまいやふらつきを伴う
- 動悸を何度も繰り返している
- 運動したときに強い症状が出る
緊急性が高いと感じる症状がある場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、適切な医療につながることを優先してください。
繰り返す動悸について原因を確認したい場合は、一般内科や循環器内科などが相談先になります。
また、強い不安そのものが長く続き、仕事、学校、外出、睡眠など日常生活へ影響している場合には、心療内科や精神科などへ相談することも選択肢です。
私たちはつらい症状が起こると、
「気持ちの問題なのかな」
「私が神経質なだけなのかな」
と、自分の感じ方を疑ってしまうことがあります。
けれど、動悸は実際に体で感じている症状です。
原因が不安なのか、体の病気なのかを、あなた一人で決める必要はありません。
ここに、リラクゼーション法を使ううえでの大切な境界線があります。
セルフケアは、医療が必要な症状を我慢するための方法ではありません。
一時的な緊張を和らげるために呼吸法などを使いながら、必要なときには専門家の力を借りる。
この両方を持っておくことが、私はもっとも現実的で安心できる向き合い方だと考えています。
私が考える「不安を消そうとしすぎない」リラックス方法
ここからは、心と体のケアに関わってきた立場からの私見です。
不安や動悸があるとき、私たちはつい、
「早く元に戻らなければ」
「今すぐ普通にならなければ」
と思います。
そして呼吸法を試しても、
「深呼吸したのに治らない」
「まだドキドキしている」
「リラックスできていない」
と、自分を採点し始めてしまうことがあります。
けれど私は、リラックス法を症状をゼロにするためのテストにしないことが、とても大切だと考えています。
目標を「動悸を完全に止める」にすると、心拍が気になりやすくなります。
「まだ速いかな」
「さっきより遅くなったかな」
「また強くなった?」
と、何度も心臓へ注意を向けてしまいます。
すると、体の小さな変化まで大きく感じられ、
「やっぱりおかしい」
「全然治っていない」
と、不安がさらに強くなることがあります。
だからこそ、目標をもう少し小さくしてみてください。
「一回だけ、ゆっくり吐く」
「肩を少し下ろす」
「椅子に座る」
「冷たい水ではなく、飲めそうなら水を一口飲む」
「静かな場所へ移動する」
それくらいでも構いません。
不安を100から0へ一気に落とそうとするのではなく、100が95になるような小さな行動を重ねる。
私は、そのくらいの距離感のほうが、結果として心と体に優しいと感じます。
「落ち着いたか」ではなく「少し楽になったか」を見る
ここでもうひとつ、私が大切だと思う視点があります。
リラックス法を試したあと、
「完全に落ち着いたか?」
と確認するのではなく、
「さっきより1%でも楽になった部分はあるか?」
と見てみることです。
心臓はまだドキドキしていても、肩は少し下がったかもしれません。
不安は残っていても、椅子に座ったことで足の力は抜けたかもしれません。
息苦しさはあるけれど、さっきより吐く息が少し長くなったかもしれません。
私たちは不安になると、どうしても「まだ残っている症状」ばかりを見てしまいます。
でも体の中では、小さな変化がすでに始まっていることもあります。
その小さな変化へ気づいてあげることが、「もっと落ち着かなければ」という焦りを弱める助けになることがあります。
平常時に自分の「安心セット」を作っておく
もうひとつ重要なのは、自分に合うリラックス法を平常時にも少し試しておくことです。
動悸が最高潮になってから初めて複雑な方法を覚えようとしても、なかなかうまくいきません。
比較的落ち着いている時間に、
「長く吐く呼吸は自分に合う」
「筋弛緩法は肩だけなら気持ちいい」
「イメージ法は落ち着かない」
「目を閉じるより開けているほうが安心する」
「静かな場所へ行くと楽になる」
「散歩をすると頭から体へ意識を戻しやすい」
と、自分の反応を知っておくのです。
これは、言ってみれば心の非常用バッグを用意しておくようなものです。
災害用バッグも、必要になった瞬間に一から準備するのではなく、平常時に用意しておきますよね。
不安へのセルフケアも同じです。
必要になったとき、
「私はまず座ろう」
「次にゆっくり吐こう」
と、自分なりの順番が分かっているだけでも、混乱を少し減らしやすくなります。
不安・動悸があるときのリラックス方法まとめ
不安や緊張に伴う動悸を感じたときは、まず安全な場所で座るか横になり、無理に深呼吸をせず、ゆっくり息を吐くことや、体の力を少しずつ抜くことから始めてみてください。
呼吸法だけでは落ち着きにくい場合は、手や肩の力を入れてから緩める漸進的筋弛緩法、自律訓練法、自分が安心できる場面を思い浮かべるイメージ法なども選択肢になります。
普段から睡眠や疲労、カフェインの摂り方を振り返り、自分に合うリラックス方法を平常時に見つけておくことも役立ちます。
ただし、リラクゼーション法は、すべての動悸を解決する治療ではありません。
胸の痛み、冷や汗、強い息切れ、失神や意識が遠のく感覚、突然始まって止まらない強い動悸などがある場合には、セルフケアだけで済ませず医療機関への相談を優先してください。
また、動悸が何度も繰り返される場合や、不安が長く続いて日常生活へ支障が出ている場合も、一人で原因を決めつけず、専門家へ相談することが大切です。
不安があるとき、私たちは「早くこの感覚を消さなければ」と考えてしまいがちです。
でも、いきなり完璧に落ち着く必要はありません。
まず椅子に座る。
一度だけ、息をゆっくり吐く。
肩をほんの少し下ろす。
それだけでも、自分の体へ「今は少し休んでもいいよ」と伝える小さなケアになります。
不安をなくすために自分と戦うのではなく、不安を感じている体へ休める余白を渡してあげる。
そんな向き合い方から始めてみてくださいね。
よくある質問
不安で動悸がするとき、まず深呼吸すればいいですか?
ゆっくりした呼吸は、リラクゼーション法の代表的な方法のひとつです。
ただし、「大きく吸わなければ」と無理に深呼吸する必要はありません。まず安全な姿勢をとり、苦しくない範囲で息をゆっくり吐くことから始めてみてください。
速く大きな呼吸を繰り返して、めまいやしびれなどが出た場合は、無理に続けず自然な呼吸へ戻しましょう。
胸の痛み、強い息切れ、失神などを伴う場合には、呼吸法だけで様子を見ず、医療機関への相談を優先してください。
動悸がするとき、横になったほうがいいですか?
安全な場所で楽に横になれるのであれば、横になって休む方法もあります。
一方で、人によっては横になると心臓の鼓動が気になりやすくなることもあります。その場合は、椅子へ座り背もたれに体を預けるなど、自分がもっとも楽に感じる姿勢を選んで構いません。
ただし、息苦しさが強い場合や、胸痛、失神、強いめまいなどがある場合は、姿勢を工夫するだけで様子を見続けず、医療機関への相談を優先してください。
漸進的筋弛緩法は動悸があるときにもできますか?
不安や緊張で体へ力が入っている場合、筋肉を軽く緊張させたあとに緩める漸進的筋弛緩法は、リラックスするための選択肢になります。
ただし、痛みやケガがある部位には無理に力を入れないでください。
全身を一度に行う必要もありません。手を軽く握ってから開く、肩を少し持ち上げて下ろすなど、ひとつの部位から試せます。
心疾患がある場合には、自己判断で無理をせず、必要に応じてかかりつけの医療機関へ相談してください。
不安による動悸と病気による動悸は自分で見分けられますか?
症状だけから原因を完全に自己判断するのは難しい場合があります。
ストレスや緊張による一時的な動悸もありますが、不整脈や心疾患、貧血、ホルモンの異常などが関係している場合もあります。
特に、動悸を繰り返す、長く続く、胸痛や強い息切れ、失神、冷や汗、強いめまいなどを伴う場合には、医療機関で原因を確認してもらうことが大切です。
不安による動悸はどのくらいで治まりますか?
不安や緊張による動悸の続き方には個人差があり、「何分で治まる」と一律には言えません。
そのため時間だけを基準にせず、症状の強さ、ほかにどのような症状があるか、繰り返しているかどうかを見ることが大切です。
「早く止めなければ」と何度も時間や脈を確認することが、かえって不安を強める場合もあります。緊急性を示す症状がないのであれば、安全な姿勢で休みながら、呼吸や体の力を少しずつ緩めてみてください。
一方で、強い動悸が続く、繰り返す、胸の痛みや息苦しさなどを伴う場合は、自己判断だけで済ませず医療機関へ相談しましょう。
結城紬(心と体のケアアドバイザー)


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