仕事中・職場でリラックスするには、呼吸・軽いストレッチ・画面から離れる・短く歩く・意識的に休憩することを、その日の疲れ方に合わせて選ぶのがポイントです。
会社では長い休息を取れないこともありますが、1~5分でも「仕事を続けながら休む」のではなく、いったん刺激を減らして心と体を仕事から離すことで、気持ちを切り替えやすくなります。
特別な道具がなくても、デスクに座ったまま、人に気づかれにくい形でも実践できます。忙しい日ほど、疲れ切ってからまとめて休むのではなく、小さな休憩をこまめに挟んでみてくださいね。
- 仕事中・職場でリラックスする方法は?まず「切り替える休憩」を意識しよう
- 短時間でできる職場のリラックス方法6選
- 1分・5分・15分で何をする?職場で使いやすい休憩の選び方
- デスクワークの休憩でリラックスするなら「疲れた感覚」を休ませる
- 職場で気持ちを切り替えたいときは植物・音・飲み物も使える
- 逆に疲れやすい休憩方法とは?スマホ・ながら休憩・無理な気分転換に注意
- 会社で緊張したときはどうする?プレゼンや人間関係で使える対処法
- 仕事中にリラックスしやすくする「休憩のタイミング」は?
- 過緊張が続くときは「休み方」だけで解決しようとしない
- 私が考える、仕事中のリラックスで最も大切なこと
- まとめ|短時間でも「仕事をしない時間」を意識的につくろう
- よくある質問
仕事中・職場でリラックスする方法は?まず「切り替える休憩」を意識しよう
仕事中のリラックスで大切なのは、長時間休むことよりも、仕事モードをいったん意識的に切ることです。
仕事が忙しいほど、「休憩している場合ではない」と感じてしまうかもしれませんね。
けれど、パソコンに向かいながらSNSを見る、昼食を食べながらメールを確認するといった過ごし方では、体は止まっていても頭は働き続けています。
無意識に何度もタスクを切り替えることは集中を妨げる一方、意識的に仕事から離れる切り替えは、次の集中に備えるリフレッシュになります。
仕事の合間には、歩いたり体を動かしたりする時間をあえて設け、5~10分程度でも仕事から離れることが一つのポイントになります。
つまり、休憩は「仕事をしていない空白」ではありません。
次の仕事へ向かうために、頭と体をいったんニュートラルな位置へ戻す時間と考えると、休むことへの罪悪感も少し軽くなるのではないでしょうか。
人がストレスや不安を感じると交感神経が優位になり、脈拍が速くなる、筋肉が緊張する、イライラや不安が強くなる、寝つきにくくなるなど、さまざまな反応が起こる可能性があるとされています。
一方で、緊張そのものがすべて悪いわけではありません。
適度な緊張は、集中力や注意力につながることもあります。問題なのは、仕事が終わっても力が抜けないほど緊張が長引いてしまうことです。
私はヘルスケアサロンで心身の悩みに耳を傾けてきた中でも、「休んでいるはずなのに疲れが抜けない」という声を何度も聞いてきました。
そういうときは、休憩時間の長さだけでなく、その時間に本当に仕事から離れられているかを見直すことが大切だと感じています。
メールを見ながら休む、チャットの通知を気にしながらお茶を飲む、昼食中も仕事の相談を続ける。
これでは、「休憩」という名前は付いていても、心と体にとっては仕事の続きになっていることがあります。
まずは1分でもいいので、パソコンや資料から手を離し、「今は仕事をしていない」と感じられる時間をつくってみてください。
短時間でできる職場のリラックス方法6選
会社では、横になったり長時間一人になったりするのが難しいこともあります。
そのため、職場で使いやすいのは、短時間でできる・特別な道具がいらない・周囲から目立ちにくいという3つの条件を満たす方法です。
取り入れやすい方法は、次の6つです。
- ゆっくり息を吐く呼吸を数回行う
- 首・肩・背中を軽く動かす
- パソコンやスマホの画面から目を離す
- 数分だけ席を立って歩く
- 昼休みに15~20分ほど仮眠する
- 飲み物や植物、音などを仕事の区切りに使う
すべてを実践する必要はありません。
その日の疲れ方に合わせて、「今日は目が疲れているから遠くを見る」「頭がいっぱいだから数分歩く」というように選んでみてくださいね。
1.息を「吐くこと」から始める
職場で最も取り入れやすいリラックス方法の一つが呼吸です。
腹式呼吸では、まず口からゆっくり息を吐いてお腹をへこませ、そのあと、お腹を膨らませるような感覚で鼻から自然に息を吸います。
緊張しているときは呼吸が浅くなりやすいため、吸う時間よりも吐く時間をやや長めにすることを意識すると、呼吸のペースをゆるめやすくなります。
ただし、大切なのは「たくさん吸わなくてはいけない」と頑張りすぎないことです。
緊張しているときに無理に大きく息を吸おうとすると、かえって苦しく感じる方もいます。
そんなときは、次のくらいの感覚で十分です。
- 「ふーっ」と無理のない範囲で静かに吐く
- 吐き終わったら、自然に入ってくる息を受け取る
- また少しゆっくり吐く
- 2~3回繰り返したら、そのまま自然な呼吸へ戻す
呼吸を整える時間は、仕事で外側へ向き続けていた意識を、自分の体へ戻していく小さなきっかけになります。
「落ち着かなければ」と自分を追い込む必要はありません。
呼吸が浅いことに気づき、1回だけ少しゆっくり吐けた。それだけでも、仕事の流れを一度切る合図になります。
また、めまいや息苦しさが出るほど無理に深呼吸を続ける必要もありません。
呼吸法はあくまで心地よい範囲で行い、胸の痛みや強い息苦しさ、激しい動悸などがある場合は、リラックス法だけで対処しようとせず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
2.首・肩・背中をゆっくり動かす
デスクワークでは、画面を見るために同じ姿勢が長く続きやすくなります。
肩を交互に上下させたり、両肩をすくめて数秒キープしてから力を抜いたりするだけでも、座りっぱなしの状態に変化をつけられます。
緊張しているときには、背中や首周りに力が入り続けることもあります。
たとえば椅子に座ったまま、次のように動かしてみましょう。
- 両肩を耳へ近づけるようにゆっくり持ち上げる
- 2~3秒ほど無理なく保つ
- 息を吐きながら肩をストンと下ろす
- 2~3回程度繰り返す
力が入っている状態と、抜けた状態の差を感じることがポイントです。
また、椅子に浅く座り、両手を組んで上へ伸びるだけでも、座りっぱなしで固まりやすい背中を動かすきっかけになります。
周囲の目が気になるなら、肩を一度上げて落とす、手首を回す、足首を動かす程度でも構いません。
「職場でストレッチ」と聞くと、大きく体を動かすイメージを持つかもしれませんが、リラックスのために大切なのは運動量ではありません。
同じ姿勢を続けていた体に、小さな変化を入れることが目的です。
痛みやしびれがある場合は無理をせず、勢いをつけないようにしてくださいね。
3.目を閉じる、または遠くを見る
仕事中の疲れは、体だけではありません。
パソコンやスマートフォンを長時間見続けていると、視覚から情報が入り続けます。
1時間に1回程度、画面から目を離して遠くを見たり、目を閉じたりして休むことも大切です。
ほんの1~2分でも構いません。
窓の外を見る、遠くの壁を見る、目を閉じるなどして、「文字を読む」「情報を処理する」作業から目を解放してみましょう。
ここで重要なのは、パソコンから離れた直後にスマートフォンを開かないことです。
画面が変わっただけでは、目や頭への情報入力は続いてしまいます。
目的もなくSNSやニュースを眺め続ける「なんとなくスマホ」は、休息になりにくいです。
会社の休憩時間にスマートフォンを見ること自体が悪いわけではありません。
家族への連絡や予定の確認など、必要な目的があって使う場面もありますよね。
ただ、「本当に休みたい」「頭がパンパン」というときには、数分だけでも画面を閉じる時間をつくる価値があります。
目を休ませたいときは、休憩中に別の情報を入れるより、情報そのものを減らすことを意識してみてください。
4.席を立って少し歩く
行き詰まったときほど、席に座ったまま何とか答えを出そうとしてしまいませんか。
けれど、仕事の手をいったん止めて歩くことも立派なリラックス方法です。
ストレッチや散歩で体を動かし、可能であれば外の空気を感じたり空を見上げたりすることも、仕事とは違う刺激へ意識を向けるきっかけになります。
特別に散歩の時間を取れなくても大丈夫です。
- 飲み物を取りに行く
- コピー機まで歩く
- トイレへ行く
- 階段を少し使う
- 昼休みに建物の外へ出る
こうした小さな移動でも、座りっぱなしから抜けるきっかけになります。
ここには、もう一つ大切な意味があります。
場所を少し変えることで、目に入る景色や音、体の動きが変わります。すると「さっきまで考えていた仕事」から注意を離しやすくなるのです。
私は、短時間のリラックスでは「何をするか」と同じくらい、いったん仕事と違う感覚を体に入れることが重要だと考えています。
パソコンを見ていたなら遠くを見る。
座っていたなら立つ。
考え続けていたなら体を動かす。
人と話し続けていたなら、少しだけ静かになる。
このように、疲れた方向と反対側へ少し振ることが、気持ちの切り替えにつながりやすいのです。
5.昼休みは15~20分ほどの仮眠も選択肢
眠気や睡眠不足が強い日は、無理に気合いだけで乗り切ろうとせず、短い仮眠を取れる環境なら活用する方法もあります。
15~20分程度の短い昼寝は、午後の眠気や仕事のパフォーマンスを考えるうえで有効な手段です。
横になれる場所がなくても、休憩スペースや椅子で静かに目を閉じるだけなら実践できる職場もあるでしょう。
眠れなかったとしても、「眠らなければ失敗」と考えなくて大丈夫です。
目を閉じ、画面や会話から離れるだけでも、情報を遮断する時間にはなります。
大切なのは、昼休みまで仕事を続けてしまわないことです。
「食事をしながらメールだけ返そう」
「この資料だけ仕上げてから休もう」
と続けていると、休憩時間が終わっても、頭だけは午前中から走り続けたままになりかねません。
お昼休みは、午後の仕事へ向かうための境目と考えてみてください。
6.飲み物や植物、音を「休憩の合図」にする
仕事中は、「いつから休憩なのか」が曖昧になりがちです。
そこで、飲み物を用意する、窓の外を見る、決まった音楽を数分だけ聴くなど、同じ行動を休憩の合図にする方法があります。
たとえば、「このカップにお茶を入れたら3分はメールを見ない」と決めるだけでも、休憩と仕事の境界がつくりやすくなります。
大がかりなリラックス法より、毎日繰り返せる小さな合図の方が、忙しい職場では使いやすいこともあります。
1分・5分・15分で何をする?職場で使いやすい休憩の選び方
「リラックスしたいけれど時間がない」というときは、今使える時間から方法を選ぶと迷いにくくなります。
目安として、次のように考えてみてください。
| 休める時間 | 取り入れやすい方法 | 向いているとき |
| 1分 | ゆっくり息を吐く、肩を上げて落とす、遠くを見る | 会議前、作業の区切り、急な緊張 |
| 3~5分 | 席を立つ、飲み物を取りに行く、窓の外を見る | 集中力が切れた、頭が詰まった |
| 5~10分 | 少し歩く、軽いストレッチ、静かに一人になる | デスクワークが続いた |
| 15分~20分 | 食事から仕事を切り離す、軽い仮眠、目を閉じる | 昼休み、眠気が強い |
時間が短いから意味がない、ということではありません。
むしろ仕事中は、長い休憩を一度だけ取るよりも、「肩に力が入り始めた」「目が疲れてきた」と感じた段階で小さく切り替える方が取り入れやすいでしょう。
1分しかないなら「吐く・落とす・離す」
急いでいるときは、3つだけ覚えておくと便利です。
吐く・落とす・離すです。
まず、息をゆっくり吐きます。
次に肩を上げて、ストンと落とします。
最後に画面から視線を離し、少し遠くを見ます。
たった1分でも、「呼吸」「筋肉」「視線」という3方向から仕事の緊張を切り替えられます。
5分あるなら場所を変える
5分ほど取れるなら、一度席を離れてみるのがおすすめです。
飲み物を取りに行ったり、トイレまで歩いたり、可能なら窓際や外へ移動したりしてみましょう。
仕事中は、同じ椅子、同じ画面、同じ視野の中で長時間過ごしがちです。
場所が変わるだけでも、「今までの作業から一度離れた」という感覚を得やすくなります。
15分あるなら刺激を減らす
15分程度取れる昼休みなら、何かをたくさんするより、刺激を減らすことを意識してみてください。
スマートフォンを置く。
食事だけに集中する。
目を閉じる。
静かな場所で過ごす。
必要なら短い仮眠を取る。
「休憩を充実させなくては」と予定を詰める必要はありません。
何もしない余白を作ること自体が休憩です。
デスクワークの休憩でリラックスするなら「疲れた感覚」を休ませる
同じ「疲れた」でも、人によって疲れている場所は違います。
目が疲れている人もいれば、頭がいっぱいになっている人もいます。肩や腰が重い日もあれば、人と話し続けて気疲れしている日もありますね。
だからこそ、休憩方法を一つに決めてしまうより、今いちばん使いすぎている感覚を休ませるという考え方がおすすめです。
たとえば、次のように考えると選びやすくなります。
- パソコン作業で目が疲れている
→ 画面を見ない、遠くを見る、目を閉じる
- 考える仕事で頭がいっぱい
→ 数分歩く、飲み物を飲む、呼吸に意識を向ける
- 同じ姿勢で肩や背中が重い
→ 立つ、伸びをする、肩を動かす
- 人間関係で気疲れしている
→ 昼休みだけ一人になる、静かな場所で過ごす
- 眠気が強い
→ 可能なら15~20分ほど仮眠する
- 周囲の音で落ち着かない
→ 職場のルールが許すなら、静かな場所へ移動する
- 会議やプレゼン前で緊張している
→ 呼吸を整え、肩の力を抜き、やることを一つに絞る
これは、「リラックス方法を足し算しすぎない」という意味でも大切です。
疲れているときほど、「音楽を聴こう」「ストレッチもしよう」「SNSも確認しよう」「おやつも食べよう」と刺激を増やしがちですが、休息とは本来、何かを追加するだけではなく、刺激を減らす行為でもあります。
特に仕事中は、メール、チャット、会話、電話、資料、画面など、さまざまな情報に絶えず触れています。
そのため、あえて何もしない数分をつくることが、思っている以上に大切なのかもしれません。
私がサロンで相談を受ける中でも、疲れている方ほど「休むために何をすればいいですか」と、さらに行動を増やそうとすることがあります。
けれど、すでに頭がいっぱいなら、新しいセルフケアを一つ追加するより、通知を閉じる、画面を見ない、話さないといった「引き算」の方が合うこともあります。
疲れた部分と反対のことをする。
これは、職場のリラックス方法を選ぶうえで覚えておきたいシンプルな基準です。
職場で気持ちを切り替えたいときは植物・音・飲み物も使える
呼吸やストレッチだけでなく、身近な環境を「休む合図」に使う方法もあります。
観葉植物や外の緑を見る
職場に植物を置いたり、緑を見ることも、仕事中の気分転換になります。
ただし、「植物を置けば必ずストレスが減る」と考えるのではなく、視線をパソコンから外し、自然を感じる対象へ向けるきっかけとして利用するのがよいでしょう。
デスクに植物を置けない職場なら、窓から木を見るだけでも構いません。
大切なのは、植物そのものを特別なものとして考えるより、パソコン画面以外へ視線を移すことです。
好きな音楽や自然音を短時間聴く
音楽も気持ちを切り替える方法の一つです。
好きな音楽を聴くことは、緊張した気持ちを切り替えるセルフケアとして取り入れやすい方法でしょう。
ヘッドホンなどを利用し、周囲の音から少し距離を取る「15分間の休息」も効果的です。
ここでもポイントは、「ながら休憩」にしないことです。
音楽を流しながらSNSを見て、メールも確認して……と刺激を増やすより、できる環境なら目を閉じて数分間、音だけを聞く方が「切り替える時間」をつくりやすいでしょう。
もちろん、職場によってはイヤホンやヘッドホンが使えない場合があります。
周囲への安全確認や、会社のルールには配慮してくださいね。
また、リラックスするために特定の音楽を聴かなければならないわけでもありません。
静かな方が楽なら、無音を選んでも構いません。
温かい飲み物を「仕事の区切り」にする
コーヒー、お茶、白湯などを飲むことも、休憩のきっかけにできます。
重要なのは、飲み物そのものに万能なリラックス効果を求めることではありません。
席を立つ、カップを持つ、香りを感じる、ゆっくり飲むという一連の行動を、仕事をいったん止める小さな儀式にするのです。
たとえば、飲み物を取りに行ったらデスクに戻ってすぐメールを見るのではなく、最初の数口だけは画面を見ないと決めてもいいですね。
ほんの数十秒でも、仕事と休憩の境目ができます。
ただし、カフェインを含むコーヒーやお茶は、摂る量や時間帯によっては睡眠に影響する方もいます。
夕方以降に眠りづらくなる方は、水やカフェインを含まない飲み物を選ぶなど、自分の体質に合わせてください。
逆に疲れやすい休憩方法とは?スマホ・ながら休憩・無理な気分転換に注意
休憩時間を取っているのに疲れが取れない場合、休憩中にも頭や体を働かせ続けている可能性があります。
特に見直したいのが、なんとなくスマートフォンを見る習慣です。
休憩中に目的なくSNSやニュースを見続けると、次々と入ってくる情報を処理し続けることになり、十分な休息につながりにくい可能性があります。
仕事中はすでに、メール、資料、チャット、ブラウザなど大量の情報を処理しています。
そこから休憩に入り、今度はSNSやニュースへ移るだけでは、「仕事という情報」から「娯楽という情報」へ切り替わっただけとも考えられます。
もちろん、好きな動画や投稿を見ることで気分が変わる方もいます。
ですから、「スマホは休憩中に絶対使ってはいけない」という話ではありません。
大切なのは、休憩後に自分がどう感じるかです。
スマートフォンを見たあとに気持ちが軽くなるなら、それが休息になる日もあるでしょう。
反対に、「いろいろ見たのに何となく疲れた」「仕事に戻るのが余計につらい」と感じるなら、5分だけ画面なしの休憩を試してみる価値があります。
また、デスクで仕事をしながら昼食を取る「ながら食べ」も、仕事モードを切りにくい過ごし方です。
できる日だけでもパソコンから離れ、「今は食事の時間」と区切ってみてください。
もう一つ気をつけたいのが、ストレス解消を飲酒や大量の食事だけに頼ることです。
就寝直前の大量飲酒や、ストレスがたまるたびに好きなものを大量に食べる行動は、睡眠や体調、罪悪感など別の負担につながる可能性があります。
もちろん、好きな食べ物を楽しむこと自体が悪いわけではありません。
「疲れたら必ず食べる」「眠るために毎晩飲む」というように一つの方法へ偏らず、散歩や呼吸、休息など複数の選択肢を持っておくことが安心です。
「休憩中も仕事のことを考える」状態にも注意する
画面を閉じていても、頭の中でずっと仕事を続けていることがあります。
「次に何をするか」
「あのメールはどう返そう」
「さっきの言い方はまずかったかな」
こうした考えが浮かぶこと自体は自然です。
無理に考えないようにする必要はありません。
ただ、同じことを繰り返し考えていると気づいたら、「これは休憩後に考える」と一度区切り、目の前の飲み物の温度や歩いている感覚など、今感じているものへ意識を戻してみてください。
思考を完全に止めるのではなく、今は考えなくていい時間を自分に許すイメージです。
会社で緊張したときはどうする?プレゼンや人間関係で使える対処法
仕事中のリラックス方法を探している人の中には、単なる疲労ではなく、会議やプレゼン、上司との会話などで強く緊張する方もいるでしょう。
仕事中の大切な場面で緊張したときは、腹式呼吸、背中や首周りを動かすことに加え、状況によっては相手に緊張していることを短く伝える方法もあります。
緊張を隠そうとすると、
「声が震えていないかな」
「緊張していると思われていないかな」
と、仕事そのものとは別のところへ意識を使うことになります。
状況によっては、
「少し緊張しています」
「聞き取りづらかったら教えてください」
と短く伝えることで、「緊張を隠す仕事」を一つ減らせるかもしれません。
これは、緊張をゼロにしようとしないという意味でも重要です。
仕事では、緊張しないことより、緊張していても必要な行動を取れる状態に戻すことの方が現実的な目標でしょう。
私は、ここに仕事中のリラックスでとても大切な視点があると考えています。
「落ち着かなければ」
「リラックスしなければ」
と頑張りすぎると、それ自体が新しい緊張になってしまいます。
少し肩に力が入っていてもいい。
呼吸が浅くなっていることに気づくだけでもいい。
そこから息を吐いたり、肩を一度上げて落としたりして、「今より少し楽」を目指すくらいで十分なのではないでしょうか。
プレゼン前は「落ち着く」より「次の一つ」に集中する
プレゼン前に緊張したら、「全部うまくやらなくては」と考えるほど、頭の中で処理することが増えてしまいます。
そんなときは、「最初の一文をゆっくり話す」「資料の1ページ目を見る」など、次にすることを一つだけ決めてみてください。
不安のすべてを消すのではなく、注意を「今できる行動」へ戻す方法です。
人間関係で疲れたときは一人になる休憩も選んでいい
同僚との雑談で気持ちが軽くなる人もいれば、人と話し続けることでさらに疲れる人もいます。
後者なら、昼休みの数分だけでも一人で過ごす時間を作ってみましょう。
「一人で休むのは感じが悪いかも」と心配になるかもしれませんが、毎回すべての休憩を誰かと一緒に過ごす必要はありません。
仕事中に人へ意識を向け続けているからこそ、休憩では自分へ意識を戻す。
そんな使い分けも、立派なセルフケアです。
仕事中にリラックスしやすくする「休憩のタイミング」は?
職場では、「疲れたら休む」だけでは休憩のタイミングを逃しやすくなります。
忙しい日は特に、自分の疲労に気づいた頃には、すでに集中力が大きく落ちていることもあります。
そこで、疲労の限界ではなく、仕事の区切りを休憩の合図にする方法がおすすめです。
たとえば、
- 一つの資料を作り終えたあと
- オンライン会議が終わったあと
- メールをまとめて処理したあと
- 昼休みに入った直後
- 午後の仕事へ移る前
- 長時間同じ姿勢が続いたと気づいたとき
などです。
「疲れたら休もう」と考えていると、忙しい日は休みづらくなります。
一方で、「この会議が終わったら1分だけ立つ」とあらかじめ決めておけば、休憩を仕事の流れに組み込みやすくなります。
私は、これが仕事中のセルフケアを続けるうえでかなり大切なポイントだと考えています。
リラックス方法そのものよりも、休むタイミングを決めておくことの方が、実際の職場では役立つことがあるからです。
どれだけよい方法を知っていても、思い出すのが疲れ切ったあとでは使いにくいですよね。
「メールを10件返したら肩を動かす」「会議後は水を飲みに行く」など、普段の仕事に小さな休息を結びつけると続けやすくなります。
過緊張が続くときは「休み方」だけで解決しようとしない
仕事中に数分休むと楽になる程度なら、今回紹介したセルフケアを使ってみる価値があります。
一方で、仕事が終わって家に帰っても緊張が抜けない、夜になっても仕事のことを考え続ける、朝になると仕事へ行くことが強い負担になるという状態が長く続く場合は、単なる「休憩不足」だけでは説明できないこともあります。
交感神経の緊張状態が長く続く状態は、「過緊張」と表現されることがあります。
過緊張に関連して挙げられる不調には、次のようなものがあります。
- 動悸や息苦しさ、めまい
- 肩こりや首こり
- 頭痛や吐き気
- 強い不安やイライラ
- 胃腸の不調
- 寝つきの悪さや途中で目が覚める状態
もちろん、これらの症状があるからといって、自分で「過緊張だ」と判断することはできません。
別の身体的な原因が隠れている可能性もあります。
心身の不調が2週間以上続く場合には、産業医、心療内科、精神科などへ相談することも一つの選択肢です。
また、期間だけで判断する必要もありません。
強い胸の痛みや呼吸困難、意識が遠のく感覚など、急な症状がある場合は、セルフケアで様子を見続けず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
「もっと上手にリラックスしなければ」と、自分だけで抱え込む必要はありません。
セルフケアは、自分を助けるための選択肢です。
それでもつらさが続くなら、次の選択肢として誰かの力を借りることも、同じくらい大切なケアです。
仕事の量、人間関係、職場環境など、本人の休み方だけでは変えにくい要因が負担になっている場合もあります。
そんなときに「リラックスできない自分が悪い」と考える必要はありません。
休憩の工夫と同時に、仕事量の調整や相談先の利用など、環境側へ働きかける視点も持ってくださいね。
私が考える、仕事中のリラックスで最も大切なこと
ここまでさまざまな方法を紹介してきましたが、筆者として最も大切だと感じるのは、休憩を「疲れ切った後の救済」にしないことです。
限界になるまで働き、完全に集中できなくなってから30分休むより、まだ働ける段階で数分だけ意識的に切り替える。
この方が、心にも体にもやさしい働き方になりやすいと考えています。
仕事では、成果を出すために「集中する技術」が語られることは多いですよね。
けれど私は、それと同じくらい「集中をいったん終える技術」も必要だと思っています。
仕事の手を止める。
画面から目を離す。
肩の力を抜く。
長く息を吐く。
席を立つ。
外を見る。
こうした小さな行動は、何も生み出していないように見えるかもしれません。
でも実際には、次の仕事へ向かうための余白をつくっています。
集中を続けるために休む。
仕事を進めるために離れる。
一見すると反対の行動ですが、長い目で見ると矛盾していません。
また、リラックス方法は「効く・効かない」だけで選ばなくてもよいと私は思います。
職場環境も性格も仕事内容も、人それぞれ違います。
静かな音楽で落ち着く人もいれば、無音の方が楽な人もいるでしょう。
一人で昼食を取ると回復する人もいれば、同僚との雑談で気持ちが軽くなる人もいます。
大事なのは、「一般的によいとされている方法」を無理に続けることではありません。
休憩の前と後を比べて、
「肩が少し軽くなった」
「考えがまとまった」
「イライラが少し減った」
「午後の仕事に戻りやすかった」
と感じる方法を残していけばいいのです。
ここで、もう一つ私が大切にしているのが、リラックスできたかではなく、仕事へ戻りやすくなったかで判断することです。
職場の休憩は、完全に眠れるほど深く落ち着くことが目的ではありません。
少し呼吸が楽になった。
視界が変わった。
頭の中の混雑が少し減った。
それくらいでも、十分に意味があります。
リラックスを100点にしようとすると、かえって「ちゃんと休めていない」と焦ってしまうことがあります。
30点だった緊張が20点になった。
それくらいの小さな変化を拾っていく方が、日常のセルフケアとしては現実的です。
自分に合う休息を探すことは、自分の心と体の取扱説明書を少しずつ作っていくようなものですね。
今日は目が疲れている。
今日は人と話しすぎた。
今日は眠い。
今日はとにかく頭を空っぽにしたい。
その日ごとに違っていいのです。
「いつも同じ休み方」ではなく、「今日の自分に必要な休み方」を選べるようになることが、長く働くうえでの大切なセルフケアになると私は考えています。
まとめ|短時間でも「仕事をしない時間」を意識的につくろう
仕事中・職場でリラックスする方法としては、ゆっくり息を吐く呼吸、首や肩のストレッチ、短い散歩、画面から目を離すこと、15~20分ほどの仮眠、植物や音、飲み物を活用した気分転換などがあります。
大切なのは、休憩時間にも情報を追い続けるのではなく、数分でも仕事から意識を外すことです。
1分しかなければ、ゆっくり息を吐き、肩を上げて落とし、画面から視線を外すだけでも構いません。
5分あるなら席を立って少し歩く。15分取れるなら、スマートフォンや仕事から離れて刺激を減らす。
このように、使える時間や疲れ方に合わせて休憩を選ぶと、無理なく続けやすくなります。
仕事中に緊張すること自体は自然な反応ですし、適度な緊張は集中につながる場合もあります。
だからこそ、完全に力を抜こうと頑張るのではなく、「今より少しゆるめる」「次の仕事へ戻りやすいところまで整える」と考えてみてください。
そして、帰宅後も強い緊張が抜けない、睡眠や食欲に影響している、心身の不調が長く続いている場合には、セルフケアだけで何とかしようとせず、産業医や医療機関など専門家への相談も選択肢に入れてくださいね。
短い休憩は、仕事をさぼる時間ではありません。
忙しさの中でずっと握りしめていた力を、ほんの少しだけ手放す時間です。
その小さな切り替えを積み重ねることが、無理なく働き続けるための土台になっていくのではないでしょうか。
よくある質問
仕事中に1分でもできるリラックス方法はありますか?
あります。画面から目を離し、肩を一度持ち上げてストンと落としたあと、息をゆっくり吐いてみてください。
短時間でも「仕事を止める」「体へ意識を戻す」という切り替えをつくることがポイントです。時間があれば、椅子から立つところまで行うと、姿勢や視界も変えられます。
職場で緊張したときは深呼吸だけでも大丈夫ですか?
まずは呼吸だけでも構いません。
無理にたくさん吸おうとせず、吐く時間を少し長くするよう意識すると、ゆっくりした呼吸へ戻しやすいでしょう。
呼吸だけで何とか落ち着こうと頑張らず、肩を一度動かす、視線を遠くへ向けるなど、別の方法を組み合わせても大丈夫です。
苦しさや強い動悸、胸の痛みなどが続く場合は、呼吸法だけで対処せず、必要に応じて専門家へ相談してください。
昼休みにスマホを見るのはやめた方がいいですか?
必ずしもやめる必要はありません。
ただ、SNSやニュースを長時間見たあとに「休んだ気がしない」と感じるなら、昼休みのうち5~15分だけでもスマートフォンを置き、目を閉じる、歩く、食事に集中するといった時間を試してみる価値があります。
スマートフォンを見ること自体を悪者にするのではなく、休憩後の自分が少し楽になっているかを基準にしてみてくださいね。
結城紬(心と体のケアアドバイザー)


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